空港まで車で送ってくれた友人に I really appreciate it. と伝えると、彼は片手を振ってこう言いました。
Don't mention it.
お礼なんていいって。
感謝をやんわり打ち消す返し。少し照れくさそうな温度感。
直訳は「それを口に出すな」。命令形なので、初めて言われると「え、怒ってる?」と焦ります。
実際は真逆で、「そんな大げさに言わなくていいよ」という照れ隠し。日本語の「いやいや、とんでもない」にほぼ一致する、感じのいい返事です。
意味と使いどころ
Don't mention it. はお礼や謝罪を「気にしないで」と受け流す返事です。「わざわざ話題にするほどのことじゃない」という含みがあります。
- Thank you / I appreciate it への控えめな返しに
- I'm sorry(手間をかけてごめん)への「気にしないで」に
- 実際にはそれなりに手間をかけたときほど謙遜として効く
💡 命令形なのに優しい理由
英語の返事には「感謝の重さを打ち消す」タイプが多くあります。No problem.(問題なかったよ)、It was nothing.(何でもなかった)、そして Don't mention it.(話題にするまでもない)。相手に借りを感じさせないための命令形で、強制ではなく気づかいです。
会話で見てみよう
▼ 空港まで送ってもらったあと
Thanks for driving me all the way out here.
こんな遠くまで送ってくれてありがとう。
Don't mention it. I had nothing going on today.
いいっていいって。今日は何も予定なかったし。
▼ 仕事を代わってもらった翌日
I owe you big time for covering my shift.
シフト代わってくれて、大きい借りができたよ。
Don't mention it. You'd do the same for me.
気にしないで。逆の立場でも同じことするでしょ。
You'd do the same. を足すと「お互いさま」の空気になる。
似ている表現との違い
| 表現 | ニュアンス | 場面 |
|---|---|---|
| Don't mention it. | お礼なんていいよ(やや控えめ・大人) | きちんと手間をかけた相手に |
| No problem. | 問題ないよ(いちばん軽い) | 日常のちょっとした手助けに |
| It was nothing. | 何でもないよ(謙遜が強い) | 相手が恐縮しているとき |
| My pleasure. | こちらこそ光栄です(丁寧) | 接客・目上・フォーマル |
若い世代の会話では No problem. が圧倒的多数ですが、Don't mention it. は少し落ち着いた大人の響きがあります。ホテルやレストランなど接客の場面では My pleasure. のほうが自然です。
⚠️ 1つだけ注意
Don't mention it. はお礼への返事専用です。秘密を打ち明けられた場面で「誰にも言わないで」のつもりで使うと通じません。その場合は Don't tell anyone. や Keep it between us. を使ってください。
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☕ ひとくちコラム 感謝を打ち消す文化、感謝を受け取る文化
英語の「どういたしまして」系は、大きく打ち消し型(No problem. / It was nothing. / Don't mention it.)と受け取り型(You're welcome. / My pleasure.)に分かれます。前者は「気にしないで」、後者は「喜んで」。同じ場面でも相手との距離感で選び分けられています。
興味深いのは、接客業では受け取り型が好まれる点。No problem. だと「問題ではなかった=問題になる可能性はあった」と響くため、高級ホテルでは My pleasure. を徹底しているところもあるほどです。細かいニュアンスの積み重ねが印象を決める例ですね。もっと知りたい人はフレーズ帳の一覧をどうぞ。
今日のまとめ
📌 3秒でおさらい
お礼を言われたら Don't mention it.(お礼なんていいよ)。命令形だけど優しいのがポイントで、No problem. より少し大人の響き。
今週、誰かを手伝ったあとに使ってみてください。
今週、誰かを手伝ったあとに使ってみてください。