「え、そうだったの?」——世の中には、調べてみると常識がひっくり返る話がたくさんあります。
ここは実在する論文や研究レポートをもとに、思わず人に話したくなる科学の話を集めた場所です。脳と心理、生き物、宇宙、食と体、そして「ことば」まで。難しい研究を「へぇ!」に翻訳して、1日3本お届けします。
・研究の限界も正直に書きます(「これで決まり」とは言いません)
・「で、それがどう役に立つの?」まで必ず落とし込みます
📚 記事一覧(新しい順)
【論文4本】時差ボケは“東回り”だけ長引く 体内時計が24時間より少し長い理由を、20年・4万6000試合のプロ野球データが裏づけていた
時差ボケは東に飛んだときだけ長引きやすいと報告されています。体内時計の周期が平均24.2時間とわずかに24時間より長いことがその理由で、20年分・4万6000試合のプロ野球データを分析したPNAS論文などがこれを裏づけています。
続きを読む →【論文で確認】羽の色を変えた“たった1つの遺伝子変化”は1819年に起きていた 蛾が見せた“目に見える進化”の記録
工業暗化で知られるオオシモフリエダシャクの体色変化は、たった1つの遺伝子変異が原因でした。2016年のNature論文はその変異が起きた年まで統計的に推定。Majerusの6年間の野外実験や体色比率の歴史的な変化を、論文をもとにたどります。
続きを読む →【論文6本】23人に1人は文字に色が見えている "共感覚"の正体、脳では何が起きているのか
「7」という数字を見ると赤が浮かぶ、「月曜日」に緑を感じる——共感覚は人口の約4%に見られるとする研究があります。一貫性テストや脳内クロスアクティベーション仮説、後天的に訓練で獲得できたという研究まで、論文6本をもとに解説します。
続きを読む →【論文5本】78.1%が85.9%に、日本人の耳はたった15回の訓練で変わっていた RとLを聞き分け直す"高変動音声トレーニング"の中身
「日本人の耳はRとLを一生聞き分けられない」は言い過ぎかもしれません。日本人学習者6名を対象にした実験では、15回の訓練で識別率が78.1%から85.9%まで伸び、新しい単語・話者にも効果が広がっていました。論文5本をもとに解説します。
続きを読む →【論文で検証】成績下位2割の人ほど「自分は平均より上」と答えていた ダニング=クルーガー効果の実像と、統計トリック疑惑
できない人ほど自分をできると思い込む——あまりに有名な「ダニング=クルーガー効果」。1999年の原論文の実験内容と、その後「単なる統計のマジックでは」と疑われた論争までを、論文ベースで追いかけます。
続きを読む →【論文4本】イルカは"寝ながら"泳ぎ続け、渡り鳥は10日間飛び続けたまま"居眠り"していた 脳を半分だけ落とす"半球睡眠"の正体
イルカは片目を開けたまま泳ぎ続け、フリゲートバードは10日間の飛行中に1日42分だけ"居眠り"していました。脳を半分ずつ眠らせる"半球睡眠"の仕組みと、新しい場所で眠れなくなる人間の"第一夜効果"とのつながりを、論文4本から解説します。
続きを読む →【論文4本】地下に眠る生命の総重量は、人類の300倍近かった "もうひとつの生態系"は光を一度も使っていなかった
深さ2.8キロの金鉱山で見つかった"たった1種類だけの生態系"から、海底の泥に眠る微生物まで。国際的な調査を積み上げると、地下には太陽光にまったく頼らない生物が地球の生物量を左右するほど広がっていました。論文4本から"地下生命圏"の正体を解説します。
続きを読む →【論文3本】在宅勤務は生産性を上げるのか下げるのか "週2日出社"が最適解になった理由
コールセンターの在宅勤務実験から6万人のMicrosoft社員のネットワーク分析まで、在宅勤務を検証した3つの大規模研究をたどると、"完全在宅"でも"完全出社"でもない答えが見えてきます。
続きを読む →【論文3本】1人が空を見上げても素通り、15人になると通行人の4割が足を止めた"つい人と同じことをしてしまう"心理の正体
1969年にニューヨークの歩道で行われた実験は、空を見上げるサクラの人数を1人から15人まで変え、通行人の反応を観察しました。2012年の大規模な追跡調査や、2013年にSNSの"いいね"を操作した実験もあわせて、人はなぜ周りに合わせてしまうのかを解説します。
続きを読む →【論文3本】"まとめて解く"より"バラバラに解く"ほうが正解率23ポイント高かった 直感に反する"インターリービング学習法"の科学
数学の問題を種類ごとにまとめて解くより、種類をバラバラに混ぜて解いたほうが記憶に残る。700人超を対象にしたランダム化比較試験で、1カ月後のテストの正解率が61%対38%という差が出た「インターリービング効果」の研究と、英語学習への応用を解説します。
続きを読む →【論文4本】二日酔いの正体は"脱水"でも"毒素"でもなく、体の"免疫反応"だった
二日酔いは脱水や毒素のせいだと思われがちですが、近年の研究は炎症性サイトカインの上昇という免疫反応の関与を示しています。バーボンとウォッカの比較実験、睡眠との関係、"有効な治療法はまだない"とする系統的レビューまで、論文4本から二日酔いの科学を解説します。
続きを読む →【論文6本】たった2分の"力強いポーズ"でホルモンが変わる、はずだった 200人の追試が突きつけた"パワーポーズ"の現在地
2010年、"2分間のパワーポーズで自信ホルモンが変わる"とする心理学の研究が一躍有名になりました。しかし200人を対象にした追試でその効果は消え、著者自身を巻き込む論争に発展します。6本の論文をもとに、姿勢と自信をめぐる科学の現在地を解説します。
続きを読む →【論文4本】AIが一度ミスすると人は一気に信用しなくなる なのに"人間の同じミス"には驚くほど寛容だった
AIが一度ミスをすると人はその後ずっと信用しなくなるのに、人間の同じミスには驚くほど寛容——「アルゴリズム嫌悪」と「アルゴリズム重視」という正反対の心理を、157人の医師を対象にした研究とともに解説します。
続きを読む →【論文5本】人類を1万人まで減らしたとされる"史上最大の噴火"、その"主犯"説を覆す発掘調査が相次いでいる
1998年、"史上最大の噴火"トバ・カタストロフが人類を絶滅寸前に追い込んだとする仮説が発表されました。しかしその後、インドや南アフリカの発掘現場、東アフリカの湖の堆積物からは、この説と矛盾する証拠が相次いで報告されています。論文をもとに解説します。
続きを読む →【論文4本】オーロラだと思われていた紫のリボンは、まったく別の現象だった 市民科学者が見つけた"名もなき光"STEVEの正体
アマチュア写真家が撮り続けた紫のリボン状の光。ESAの衛星データが暴いたのは、粒子の降り込みで光る古典的なオーロラとは違う、高速プラズマの帯という正体でした。論文4本をもとに発見の経緯を解説します。
続きを読む →【論文4本】507歳の貝、392歳のサメがいた 科学は生き物の"寿命"をどう測ったのか
アイスランド沖の二枚貝は507歳、深海のグリーンランドザメは最大392歳と推定されています。放射性炭素年代測定やアスパラギン酸ラセミ化法など、生き物の年齢を科学がどう突き止めてきたのかを4本の論文から解説します。
続きを読む →【67万人分の回答】バズった無料の英語クイズが、"外国語は何歳まで身につくか"論争に一石を投じていた "臨界期仮説"をめぐる30年
SNSで拡散した無料の英語クイズに答えた67万人分のデータを分析した2018年の論文は、外国語の文法を直感的に身につける力が17歳前後を境になだらかに低下すると報告しました。1989年の移民研究から2022年の再検証まで、"言語習得に締め切りはあるか"をめぐる30年来の論争を論文ベースで解説します。
続きを読む →【論文4本】アクションゲームで遊ぶ人は、注意力のテストで本当に高成績だった "脳を鍛えるゲーム"と"鍛えないゲーム"の分かれ目
アクションゲームを続けている人は、注意力や視覚的処理速度のテストで非プレイヤーより高成績という研究が積み重なっています。Green&Bavelier(2003, Nature)やBediouらのメタ分析(2017)、日本のゲーム機くじ引きを使った自然実験(2024)まで、論文4本から"脳を鍛えるゲーム"の条件と遊びすぎの境界線を解説します。
続きを読む →【論文4本】"次の展開が分かる"気がしたのに、予知は当たっていなかった 既視感(デジャブ)の正体を暴いたVR実験
見たことのない場所なのに"この先どうなるか分かる"気がする既視感(デジャブ)。VRで人工的にこの感覚を再現した実験では、その"予知"はまったく当たっていませんでした。心理学が突き止めた既視感の正体を、論文4本をもとに解説します。
続きを読む →【論文4本】顔をたった0.1秒見せられただけで、当選者を7割言い当てていた "考えるほど当たらなくなる"第一印象の科学
見知らぬ候補者の顔を0.1秒見せるだけの判断が、米国上院選挙の当落を7割前後の精度で言い当てていました。Willis&Todorov(2006)やTodorov(2005, Science)など論文4本から、一瞬で決まる第一印象の正体と、考えるほど正答率が下がるという意外な結果までを解説します。
続きを読む →【論文3本】会話中に相手が"別人"にすり替わっても、気づいたのは15人中7人だけだった 見えているのに見えていない「変化盲」の科学
目の前の会話相手が別人にこっそり入れ替わっても、多くの人は気づきません。心理学が繰り返し確認してきた「変化盲(change blindness)」という現象と、「自分は気づけるはず」という思い込みが裏切られる理由を、論文3本をもとに解説します。
続きを読む →【論文5本】27年間、"見えない何か"に引っ張られ続けた星があった 銀河の中心に潜む超大質量ブラックホールの証明
天の川銀河の中心にある"見えない天体"の正体を、天文学者たちは1つの星の動きだけを27年間追い続けて暴きました。太陽430万倍の質量、光速2.55%で駆け抜ける近点、そして一般相対性理論を検証した2つの発見まで、2020年ノーベル物理学賞につながった観測を論文ベースで解説します。
続きを読む →【論文4本】"迷子になった思い出"を植えつけられた大学生の4人に1人が、本気で信じ込んだ 心理学が証明した「虚偽記憶」のつくられ方
体験していない子供時代の出来事を聞かせただけで、24人中6人が"本当にあった"と信じ込みました。Loftus & Pickrellの実験や、言葉ひとつで目撃証言が変わる裁判の研究など、論文4本から"思い出"の意外な正体を解説します。
続きを読む →【論文3本】呼んでも来ない猫は、ちゃんと聞き分けていた 声・名前・まばたきに隠された猫の"返事"
猫は飼い主の声も自分の名前も聞き分けていることが実験で示されています。それでも駆け寄ってこないのはなぜか。声の実験、名前の実験、そして"スローブリンク"という独自の返事の発見まで、3本の論文をもとに解説します。
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