ホームパーティーで "Want the last brownie?"(最後のブラウニー食べる?)と勧められたネイティブが、ニヤッと笑ってこう言いながら手を伸ばします。
文法を真面目に勉強した日本人ほど混乱します。「Don't で始まってる…命令文?『私がしても気にするな』って命令してるの…?」
実はこれ、"I don't mind if I do."(そうしても私は構わないよ)の頭の I が落ちた形。「頂いても構いませんね→じゃあ遠慮なく!」という、おどけた快諾の決まり文句です。ちょっと芝居がかった言い回しなので、言うだけで場が和みます。今日はこれを、会話例と一緒に「使える状態」までもっていきます。
意味と使いどころ
"Don't mind if I do" は、飲食物や楽しいことを勧められたときに「お言葉に甘えて!」と茶目っ気たっぷりに受けるフレーズです。遠慮するそぶりを見せつつ、実はノリノリで受け取る、というユーモアが本体です。
- お菓子・お酒・おかわりを勧められたときに("Another beer?" → "Don't mind if I do!")
- 「座って」「先にどうぞ」などの好意に甘えるときに
- セール・試食など「ご自由にどうぞ」の場面で独り言のように言うのもアリ
会話で見てみよう
▼ バーベキューでおかわりを勧められて
▼ 上司より先に帰りづらい金曜の夕方
似ている表現との違い
| 表現 | ニュアンス | 場面 |
|---|---|---|
| Don't mind if I do. | じゃあ遠慮なく(ユーモラス) | 勧められて嬉しく受けるとき |
| Yes, please. | はい、お願いします(素直・丁寧) | 丁寧に受けたいとき全般 |
| If you insist. | そこまで言うなら(照れ隠し強め) | 一度遠慮したあとに折れるとき |
| I'd love to. | 喜んで(誘いへの快諾) | 食事や遊びの誘いを受けるとき |
丁寧さで選ぶなら "Yes, please."、ノリの良さで選ぶなら "Don't mind if I do."。"If you insist."(そこまで言うなら)はさらに芝居がかった照れ隠しで、この2つは「本当は嬉しいくせに」というツッコミ待ちの姉妹表現です。場の空気をふっと緩めたいときに効きます。
☕ ひとくちコラム 戦時中のラジオが生んだ国民的ギャグ
このフレーズを国民的な決まり文句に押し上げたのは、第二次大戦中のイギリスの人気ラジオコメディ『ITMA(It's That Man Again)』だと言われています。登場人物の酔っ払い大佐チンストラップが、何を勧められても(勧められていなくても)"I don't mind if I do!" と言って酒を飲む——これが毎週のお約束ギャグとして大ウケし、イギリス中が真似したのです。80年前のラジオのギャグが、今も日常会話に生き残っているというわけです。
フレーズには、こういう「みんなが笑った歴史」が染み込んでいるからこそ、教科書の例文より記憶に残ります。会話の決まり文句をもっと仕入れたい人はネイティブが本当に使う英会話フレーズ100選もどうぞ。
今日のまとめ
今週、おかわりを勧められたら1回使ってみてください。100%場が和みます。