オフィスで、同僚が自分のデスクにふらっと近づいてきて、こう切り出します。

Got a sec?
ちょっといい?
誰かに話しかける前に添えるひとこと。「秒」でも本当に数秒で終わるとは限らない。

これを直訳すると「1秒ある?」。だから日本人は身構えます。「1秒で終わる話なんだ」と思って軽く返事をしたら、実際は5分も10分もかかる相談だった——なんてことがよくあります。

でもネイティブは、そんなことで嘘をついたつもりはありません。"sec" はここでは文字通りの時間ではなく、「ほんのちょっと」というニュアンスの決まり文句。相手の手を止める前に添える、いわばクッション言葉です。今日はこれを、会話例と一緒に「使える状態」までもっていきます。

意味と使いどころ

"Got a sec?" は、相手に話しかける・作業を中断させる前に「ちょっといい?」と一声かけるときのフレーズです。話の内容の長さとは関係なく使われます。

💡 なぜ「秒」なのに秒で終わらないの? これは "Have you got a second (to spare)?"(少しだけ時間を分けてもらえる?)の "second" が略された形。日本語の「ちょっといい?」も、実際は30分の話でも使いますよね。それと同じで、相手への負担を軽く見せるための誇張表現だと考えると納得できます。

会話で見てみよう

▼ 同僚のデスクに近づいて

Hey, got a sec? I need your opinion on something.
ねえ、ちょっといい?意見聞きたいことがあって。
Sure, what's going on?
うん、もちろん。どうしたの?

▼ 電話をかけて開口一番

Hi, got a sec? Or is now a bad time?
もしもし、ちょっといい?それとも今タイミング悪い?
Actually, could you call me back in ten minutes?
実は、10分後にかけ直してもらえる?
"Or is now a bad time?" を添えると、断りやすい聞き方になる。相手に逃げ道を残すのが英語らしい気遣い。

似ている表現との違い

表現ニュアンス場面
Got a sec?ちょっといい?(カジュアル)同僚・友人への気軽な声かけ
Got a minute?ほぼ同じ、やや長め同上。secとほぼ交換可能
Do you have a moment?お時間よろしいですか上司・クライアントへのフォーマルな声かけ
Can I steal you for a sec?ちょっと借りていい?(お茶目な言い方)親しい間柄で軽く呼び止めるとき

職場の同僚となら Got a sec? と Got a minute? はほぼ交換可能です。迷ったらどちらを使っても伝わります。ただし上司やクライアントには、"Do you have a moment?" のような丁寧な言い方を選ぶと安心です。

⚠️ 1つだけ注意 "Got a sec?" と言われて話が5分続いても、相手は嘘をついたわけではありません。これは時間の長さの宣言ではなく、「今ちょっと話しかけていい?」という許可のお伺い。額面通りに「1秒」と受け取らないのがコツです。
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☕ ひとくちコラム 「時間を小さく見せる」英語の言い回し

英語には "Got a sec?" のほかにも、話しかける前に負担を小さく見せる言い回しがたくさんあります。"Quick question"(ちょっと質問)、"One thing"(一つだけ)、"Real quick"(手短に)——どれも実際にかかる時間とは無関係に、相手の心理的なハードルを下げるためのクッション言葉です。

日本語の「ちょっといいですか」「一瞬だけ」も、まったく同じ働きをしていますよね。「時間の長さ」ではなく「相手への配慮」を表す言葉だと思って聞くと、英語の距離感がぐっとつかみやすくなります。こうした声かけのバリエーションは英会話フレーズ100選でもまとめて練習できます。

今日のまとめ

📌 3秒でおさらい 話しかける前は "Got a sec?"(ちょっといい?)。少し長めなら "Got a minute?"、目上の人には "Do you have a moment?"
今週、誰かに話しかけるときに1回使ってみてください。会話がすっと始まります。
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