"So, are you taking the job in Osaka?"(で、大阪の仕事は受けるの?)と友達に聞かれたネイティブ。すぐに Yes/No では答えず、一呼吸おいてこう切り出します。
直訳は「ここに、その物がある」。当然ながら意味不明です。この thing の正体は「物」ではなく「肝心な点・問題の核心」。
ネイティブがこれを言ったら、それは「ここから本題が始まる。しかも、たぶん単純な話じゃない」という合図です。質問に即答できない事情があるとき、日本人は「うーん…」と沈黙しがちですが、ネイティブはこの一言で堂々と「ため」を作り、聞き手の注意を引きつけてから話し始めます。
意味と使いどころ
"Here's the thing." は、話の核心・本当の問題・言いにくい事情を切り出すときの前置きです。「実はね」「ここがポイントなんだけど」に相当します。
- 質問にYes/Noで単純に答えられない事情があるとき
- 反論やお断りをやわらかく始めるとき
- 「よく聞いて、ここが重要」と聞き手の注意を引きたいとき
会話で見てみよう
▼ しつこく飲みに誘われて
▼ 会議で単純な解決案に答える
似ている表現との違い
| 表現 | ニュアンス | 場面 |
|---|---|---|
| Here's the thing. | ここからが本題(注意を引く) | 事情説明・反論・お断りの前 |
| The thing is, | 実は問題があって | 事情をそのまま文につなげる |
| To be honest, | 正直に言うと | 本音・打ち明け話の前 |
| Actually, | 実は(軽い訂正・意外な事実) | ちょっとした訂正・補足 |
"Here's the thing." と "The thing is," は中身がほぼ同じ兄弟表現。違いは「ため」の有無です。Here's the thing. はピリオドで一度止めて間を作れるので、ドラマチックに本題へ入れます。The thing is, はそのまま "The thing is, I can't swim."(実は泳げないんだ)と一文で流す形です。
☕ ひとくちコラム うまい話し手は「間」で聞かせる
英語がうまい=速く流暢に話す、と思われがちですが、ネイティブの話し上手を観察すると実は逆で、大事なことの前でわざと止まります。Here's the thing.(で、ここが大事なんだけど)、You know what?(ねえ、聞いて)、Guess what.(何があったと思う?)。どれも「予告 → 間 → 本題」という同じ構造で、間があるからこそ本題が際立つのです。
この「予告フレーズ+間」はスピーキングのリズム練習と相性抜群。声に出す練習の入り口としては発音矯正の記事で紹介しているトレーニングが役立ちます。
今日のまとめ
今週、言いにくいことを英語で伝える場面があったら、まずこの一言で「ため」を作ってみてください。話に迫力が出ます。