カフェで隣に座った見知らぬ人が、少し身を乗り出してこう切り出します。

I don't mean to be forward, but...
図々しいかもしれないけど…
初対面の相手に踏み込んだ質問やお願いをする直前に添える一言。厚かましいと思われたくない気持ちをワンフレーズで伝える。

初めて聞いた日本人は、ほぼ全員こう思います。「forwardって『転送する』とか『前へ』じゃないの?」

ここでの forward は動詞でも「前方」でもありません。「厚かましい、馴れ馴れしい」という意味の形容詞です。メールの forward(転送)とはまったくの別物なのに、学校ではこの使い方をまず教わりません。今日はこれを、会話例と一緒に「使える状態」までもっていきます。

意味と使いどころ

"I don't mean to be forward, but..." は、相手にとって踏み込みすぎかもしれない質問・お願い・発言をする直前に添えるクッション言葉です。「厚かましいつもりはないんだけど」と一言断ることで、続く本題を柔らかく差し出せます。

💡 なぜ forward が「厚かましい」の? forward にはもともと「前へ突き進む」というイメージがあります。それが人の態度に使われると、相手との距離を一気に詰めて前に出てくる→遠慮がない・馴れ馴れしいという意味に転じました。同じ forward でも "look forward to"(楽しみにする)とはまったく別の顔を持つ単語だと考えると覚えやすいです。

会話で見てみよう

▼ カフェで出会ったばかりの人に

I don't mean to be forward, but can I get your number?
図々しいかもしれないけど、連絡先を聞いてもいい?
Sure, I don't see why not.
うん、別に構わないよ。

▼ 転職した同僚に立ち入った質問をする前

I don't mean to be forward, but why did you leave your last job?
立ち入った話かもしれないけど、前の仕事はどうして辞めたの?
No worries, it's not a secret. My old manager was impossible to work with.
全然大丈夫、秘密でもないから。前の上司がとにかく合わなくてね。
but のあとに本題がそのまま続く形。前置きが短いほど自然に聞こえる。

似ている表現との違い

表現ニュアンス場面
I don't mean to be forward, but厚かましいかもしれないけど(距離感への配慮)初対面・親しくない相手への踏み込んだ質問やお願い
Not to be rude, but失礼かもしれないけど(内容の失礼さへの配慮)指摘・批判につながる発言の前
This might sound weird, but変に聞こえるかもしれないけど突飛な質問・提案の前
If you don't mind me asking差し支えなければ(丁寧・フォーマル寄り)年齢・収入など個人的な質問を丁寧に切り出す

4つとも「本題の前に添えるクッション言葉」ですが、配慮している対象が違います。forward は「相手との距離を詰めすぎていないか」への配慮で、rude は発言内容そのものの失礼さ、weird は質問の突飛さへの配慮です。迷ったら、初対面や年上の相手には If you don't mind me asking のほうが無難です。

⚠️ 1つだけ注意 同じ forward でも "I look forward to it."(楽しみにしています)は完全に別の意味です。look forward to とセットの forward は「楽しみ」、be forward の forward は「厚かましい」。前後の単語で見分ければ混同しません。
スポンサーリンク

☕ ひとくちコラム 性格を表す forward の仲間たち

forward が「厚かましい」の意味で使われるのは、実は古くからのマナー文化に由来します。招かれてもいないのに前に出て話す・意見を言う人を、昔の英語では forward な人と呼んでいました。今でも "She's quite forward."(彼女はかなり積極的というか厚かましい)のように、性格を表す形容詞としてそのまま生き残っています。

似た距離感の単語には pushy(押しが強い)や bold(大胆)がありますが、forward はそのなかでも「社交的な礼儀を一歩越えてくる」ニュアンスが強めです。こうした「距離感を表す語彙」は英会話フレーズ100選でもまとめて練習できます。

今日のまとめ

📌 3秒でおさらい 踏み込んだ質問やお願いの前には "I don't mean to be forward, but..."。forward は「転送」ではなく「厚かましい」の意味。
今週、初対面の相手に少し踏み込んだことを聞くときに1回使ってみてください。丁寧さがぐっと伝わります。
🔊 このフレーズ、耳でも覚えよう

ページ内の🔊ボタンでネイティブ発音を確認できます。ほかのフレーズもフレーズ帳にどんどん追加中。

フレーズ帳をもっと見る →