会社の懇親会で、隣に立っている見覚えのない人。日本語なら「あの、失礼ですが」と切り出すところで、ネイティブはこう声をかけます。

I don't think we've met.
はじめましてですよね?
初対面の相手に自分から声をかけるときの定番の一言。パーティーや懇親会、会議などで使う。

これを見た日本人の多くは「初対面の挨拶は Nice to meet you. からでしょ?」と思うはずです。でも実際のネイティブは、名乗り合うにまずこの一言を挟みます。「あなたとは面識がないですよね」という事実を確認しながら、自然に自己紹介の流れを作る、いわば会話の入口専用フレーズ。教科書の自己紹介例文には出てこないのに、パーティーやオフィスでは驚くほど頻繁に耳にします。

意味と使いどころ

"I don't think we've met" は直訳すると「私たちは会ったことがないと思う」ですが、実際の役割は「初対面の相手に自分から話しかけるときの前置き」です。断定せず「〜と思う」とぼかすことで、押しつけがましくない柔らかい切り出し方になります。

💡 なぜ「質問」ではなく「断定」の形なの? "Who are you?"(あなたは誰?)と聞くと詰問のように響きますが、"I don't think we've met" は自分の認識を述べているだけなので圧がありません。相手は「ですね、初めまして。〇〇です」と自然に名乗りを返せる、いわば会話へのボールの渡し方が上手いフレーズです。

会話で見てみよう

▼ 会社の懇親会で

I don't think we've met. I'm Sarah, from marketing.
初めましてですよね。マーケティング部のサラです。
Oh, hi Sarah! I'm Mike. I just joined the design team.
あ、サラさん!マイクです。デザインチームに入ったばかりで。

▼ 友人宅のバーベキューで

I don't think we've met — are you a friend of Jake's?
はじめましてですよね。ジェイクの友達ですか?
Yeah, we went to college together. I'm Tom.
そうです、大学の同期で。トムです。
名前を尋ねずとも、相手が自然に名乗ってくれるのがこのフレーズの強み。

似ている表現との違い

表現ニュアンス場面
I don't think we've met.初対面を確認しつつ自己紹介を促すパーティー・懇親会で自分から声をかける
Nice to meet you.名乗り合った直後の定番の挨拶お互いの名前を知ったあと
Have we met before?「前に会ったことある?」と記憶を確認見覚えがあって自信が持てないとき
We haven't officially met.面識はあるが正式な紹介はまだ、というやや丁寧な言い方オフィス・会議などフォーマル寄りの場

迷ったら、初対面の相手には I don't think we've met が一番使いやすい万能形です。すでに顔を見た記憶があるけれど名前が出てこない相手には We haven't officially met のほうがしっくりきます。

⚠️ 1つだけ注意 "Have we met before?" は便利そうに見えますが、初対面が確実な相手に使うと「もしかして会ったことあったかな…?」というあやふやな記憶の確認に聞こえてしまい、少し不自然です。相手と面識がないと分かっているなら、素直に "I don't think we've met." を使いましょう。
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☕ ひとくちコラム なぜ英語圏は「自分から名乗る」文化なのか

日本では名刺交換のように、誰かが間に入って紹介してくれるのを待つ場面が多いですが、英語圏のパーティーやオフィスでは自分から知らない人に話しかけて名乗るのが当たり前のマナーとされています。誰も紹介してくれない立食パーティーで黙って突っ立っていると、逆に「感じが悪い人」と思われかねません。

だからこそ "I don't think we've met" のような、角が立たずに自分から会話を始められる一言のストックが重要になります。とっさに口から出るようにするには、決まり文句をまとめて覚えるより瞬間英作文トレーニングで口に馴染ませてしまうのが近道です。

今日のまとめ

📌 3秒でおさらい 初対面の相手には "I don't think we've met." でまず声をかける。名乗り合ったあとに "Nice to meet you." が続く、という順番を覚えておきましょう。
今度パーティーや懇親会に行ったら、一度自分から使ってみてください。
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