テスト当日の朝。目の下にクマを作ったクラスメートが、コーヒー片手にあくびをしながらこう言います。
これを聞いた日本人の頭には、2つのハテナが浮かびます。「pull? 何を引っ張ったの? そもそも all-nighter って何?」
all-nighter は「徹夜(という1回のイベント)」を表す名詞。そして pull は「引っ張る」ではなく「やってのける」の pull です。つまり直訳は「徹夜という一仕事をやり遂げた」。日本語の「徹夜しちゃった」にぴったり重なる超頻出フレーズなのに、学校では習いません。今日はこれを、会話例と一緒に「使える状態」までもっていきます。
意味と使いどころ
"pull an all-nighter" は、「一晩まるまる寝ずに何かをする=徹夜する」という意味の決まり文句です。頑張った感と、ちょっとやりすぎた感が同居しています。
- テスト勉強・レポート・納期前の追い込みに
- ゲームやドラマの一気見など遊びの徹夜にも
- "two all-nighters in a row"(2連続徹夜)のように数えられる
会話で見てみよう
▼ 提出日の朝、大学のキャンパスで
▼ 新作ゲームの発売翌日
似ている表現との違い
| 表現 | ニュアンス | 場面 |
|---|---|---|
| pull an all-nighter | 徹夜する(イベント感あり) | 試験・納期・一気見の報告 |
| stay up all night | 一晩中起きている(中立) | 理由を問わず幅広く |
| burn the midnight oil | 夜遅くまで頑張る | 徹夜とは限らない夜更かし仕事 |
| didn't sleep a wink | 一睡もできなかった | 心配・騒音など「眠れなかった」側 |
使い分けのカギは「自分の意思かどうか」。pull an all-nighter と stay up all night は自分で選んだ夜更かし、didn't sleep a wink は眠りたかったのに眠れなかったとき。目的があって夜を徹したなら、いちばんネイティブらしいのが pull an all-nighter です。
☕ ひとくちコラム ランプの油と夜ふかしの400年
比較表に出てきた "burn the midnight oil"(真夜中の油を燃やす)は、実は17世紀から使われている由緒正しい表現です。電気のなかった時代、夜中まで働くには油のランプを灯し続けるしかありませんでした。「夜中の油を燃やす=夜遅くまで勉強・仕事をする」。電球が発明されて100年以上たった今も、オフィスの英語でしぶとく生き残っています。
一方の all-nighter はずっと新しく、20世紀のアメリカの学生スラングから広まった言葉。時代は変わっても、締め切り前に人類がやることは同じようです。そして徹夜明けの決まり文句といえば I'm beat.(クタクタだよ)。セットで覚えれば、翌朝の会話まで完璧です。
今日のまとめ
今週、もし夜更かしで何かをやり遂げたら1回使ってみてください。ただし体はお大事に。