"Can I talk to you about something?"(ちょっと相談したいことがあるんだけど)と切り出すと、ネイティブの友達はスマホを伏せて、体ごとこちらに向き直り、こう言ってくれました。
直訳すると「私は全部、耳です」。日本人の脳内には全身耳だらけの妖怪が出現します。いったい何が起きているのか。
正体は、「全神経を集中して聞く準備ができてるよ」という聞く姿勢のフレーズ。相談を切り出した相手を一瞬で安心させる、あたたかくて頼もしい一言です。言われた側は「ちゃんと聞いてもらえる」と感じ、言った側は最高の聞き役の顔になります。
意味と使いどころ
"I'm all ears." は、「話して。ちゃんと聞くから」を一言で伝える表現です。義務感の「聞きます」ではなく、身を乗り出すような前のめり感があるのが最大の特徴。
- 相談・打ち明け話を切り出されたときの「どうぞ、聞くよ」に
- 面白そうな話の予感に「早く聞かせて!」のワクワクを込めて
- 会議で "We're all ears."(全員、拝聴します)と発表を促す形も
会話で見てみよう
▼ 深刻めの相談を切り出されて
▼ 楽しい報告の予感に
似ている表現との違い
| 表現 | ニュアンス | 場面 |
|---|---|---|
| I'm all ears. | 聞く気満々(温かい・前のめり) | 相談・報告・面白い話の受け入れ |
| I'm listening. | 聞いてるよ(文脈次第で冷たくも) | 説明や弁明を促すとき |
| Go ahead. | どうぞ、話して(促し) | 話す許可・きっかけを渡すとき |
| Tell me more. | もっと聞かせて | 話の途中で興味を示すあいづち |
要注意なのが I'm listening. との違いです。腕組みしながらの "I'm listening." は「言い訳を聞こうじゃないか」という圧にもなり得ます。一方 I'm all ears. はほぼ常にポジティブで前のめり。相手を安心させたい場面では、迷わず all ears を選びましょう。
☕ ひとくちコラム 英語は体のパーツで感情を語る
体のパーツを使ったイディオムは、英語の得意技です。値段が「腕1本と脚1本」もするなら cost an arm and a leg(バカ高い)。「脚を引っぱる」pull someone's leg は、日本語の「足を引っぱる(邪魔する)」と違って「からかう」。「冷たい足」get cold feet は、本番直前の「怖気づき」。直訳するとシュールなのに、意味を知ると妙に納得する表現ばかりです。
この「体パーツ系イディオム」は日常会話の頻出ゾーンなので、まとめて覚えると一気に世界が広がります。定番フレーズを体系的に仕入れたい人はネイティブが本当に使う英会話フレーズ100選をどうぞ。
今日のまとめ
今週、誰かが「ちょっと聞いて」と言ってきたら1回使ってみてください。あなたの聞き役としての株が確実に上がります。