3週間連続で残業続きのネイティブの同僚。金曜の夜、パソコンをパタンと閉じてこうつぶやきます。

I'm fed up.
もううんざり。
我慢を重ねた末の「もう限界」。一時的なイラッではなく、蓄積した不満に使う。

単語だけ見た日本人は、こう考えます。「fed って feed(食べさせる)の過去分詞…餌をもらったってこと?」

惜しい。実はその「食べさせられた」こそがヒントで、「限界まで食べさせられた=満腹を通り越してもう受け付けない」というイメージから、「うんざりだ・こりごりだ」という意味になりました。長引く工事の音、直らない上司の口ぐせ、終わらない値上げ——ネイティブが積もり積もった不満を吐き出すときの定番がこれです。

意味と使いどころ

"I'm fed up" は、同じことが繰り返されて我慢が限界に達したことを伝えるフレーズです。ポイントは「積み重ね」。今日初めて起きたことより、ずっと続いていることに使います。

💡 なぜ fed up が「うんざり」なの? feed(食べさせる)の受け身で「食べさせられた」、さらに up は「上限まで・完全に」を表します。つまり「喉元まで詰め込まれた」状態。もう一口も入らない=これ以上は受け付けない、という満腹の比喩だと考えれば一発で覚えられます。

会話で見てみよう

▼ 通勤電車の遅延、今週3回目

The train is delayed again. Third time this week.
また電車遅延だって。今週3回目だよ。
I'm so fed up with this. I might just bike to work.
マジでもううんざり。自転車通勤にしようかな。
so を足すと「本っ当にうんざり」。fed up with this の形は毎日使える。

▼ ルームメイトへの最後通告

I'm fed up with the dishes piling up. It's your turn.
お皿が溜まっていくのにはもううんざり。今日は君の番だよ。
Fair enough. I'll do them right now.
ごもっとも。今すぐやります。

似ている表現との違い

表現ニュアンス場面
I'm fed up.積もり積もってもう限界繰り返される不満・長引く問題
I'm sick of it.うんざり(やや強め・吐き捨て)感情をストレートにぶつけるとき
I'm tired of it.飽き飽きした(比較的マイルド)不満をやわらかく伝えるとき
I've had enough.もうたくさんだ(行動宣言寄り)「ここでやめる」と決めた瞬間

強さの体感は tired of < fed up with ≒ sick of < I've had enough の順。fed up は「不満がフルに溜まった状態」、I've had enough は「溜まった結果、席を立つ」イメージです。ちなみにネイティブは "sick and tired of 〜" と2つ重ねて「心底うんざり」を表すこともあります。

⚠️ 1つだけ注意 前置詞は必ず with。"I'm fed up of 〜" は口語で耳にすることがあっても、標準的には誤りとされます。また、人に対して "I'm fed up with you." と言うとかなり強い非難になるので、対象は「状況・モノ」にしておくのが平和です。
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☕ ひとくちコラム イギリス人は「奥歯まで」うんざりする

イギリス英語には fed up をさらに強めた "fed up to the back teeth"(奥歯までうんざり)という言い回しがあります。喉元どころか奥歯の高さまで詰め込まれた、というかなり切実な絵面で、「もう本っ当に限界!」を面白おかしく表現できます。食べ物の比喩で感情を表すのは英語の得意技なのです。

ちなみに「うんざり」と似ているようで違うのが「もうどうでもよくなった」という気持ち。これは英語で I'm over it.(もう吹っ切れた・興味なくした)が担当します。fed up は「まだ怒っている」、over it は「怒る気力すら手放した」。感情の温度差まで使い分けられたら、かなりのネイティブ級です。

今日のまとめ

📌 3秒でおさらい 積もった不満には "I'm fed up."(もううんざり)。対象を言うなら "I'm fed up with 〜."、強調は "I'm so fed up."
今週、繰り返しの小さなストレスに出会ったら、心の中で1回言ってみてください。
🔊 このフレーズ、耳でも覚えよう

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