ギターを練習中の友達に "Can you play that song yet?"(あの曲もう弾けるの?)と聞くと、ネイティブは照れ笑いしながらこう返します。
初めて聞いた日本人は、地図アプリを開きたくなります。「there ってどこ? 今どこかに向かってるの?」
向かっているのは場所ではなく目標(ゴール)です。"I'm getting there" は「ゴールにだんだん近づいているよ=まだ途中だけど、確実に進んでる」という意味。上達・回復・作業の進捗、なんにでも使える万能の返事で、実は英語学習者のあなたがいちばん使う場面が多いフレーズかもしれません。今日はこれを、会話例と一緒に「使える状態」までもっていきます。
意味と使いどころ
"I'm getting there" は、「完成・完治・完璧にはまだ届かないけど、着実に近づいている」と伝えるひとことです。謙遜と前向きさが同居した、絶妙な温度の返事になります。
- "How's your English?" など上達を聞かれたときの返事に
- 病気やケガの回復途中の報告に
- 仕事・作業の進捗を聞かれたときに
- 相手に向けて "You're getting there!"(近づいてるよ!)と励ましにも
会話で見てみよう
▼ ジムで、ダイエット中の同僚と
▼ 風邪から復帰した友達に
似ている表現との違い
| 表現 | ニュアンス | 場面 |
|---|---|---|
| I'm getting there. | 着実に近づいてる(途中) | 上達・回復・進捗の返事 |
| Almost there. | あと一歩(ゴール直前) | 完成間近・到着間近 |
| It's coming along. | 順調に進んでいる | 作品・プロジェクトが主語 |
| It's a work in progress. | まだ製作途中でして | 未完成をユーモラスに認める |
進み具合で言うと work in progress → getting there → almost there の順にゴールへ近づいていくイメージです。「まだまだですよ」と謙遜しつつ、ちゃんと前進も伝えたい。そんな日本人好みのバランスを一言で実現してくれるのが I'm getting there です。
☕ ひとくちコラム 英語は人生を「旅」で語る
英語には「人生=旅」というメタファーが深く染み込んでいます。"We've come a long way."(ここまで遠くへ来た=大きく成長した)、"at a crossroads"(岐路に立って)、"moving on"(前へ進む)。認知言語学では、こうした「抽象的なことを旅の言葉で考える癖」が英語の発想の土台になっていると言われます。だから目的地の there と言うだけで「ゴール」が通じるのです。
そして旅の途中でくじけそうな人にかける言葉も、やっぱり there 入り。Hang in there.(踏ん張れ、あきらめるな)です。「そこに(in there)しがみついていろ」— 進んでいる人には getting there、苦しい人には hang in there。there の使い分け、覚えておくと効きます。
今日のまとめ
今週、"How's your English?" と聞かれたら使ってみてください。この返しができる時点で、確実に getting there です。