"What do you want for dinner?"(夜ごはん何がいい?)と聞かれたネイティブが、少し考えてこう答えます。
mood と聞いた日本人の頭には「ムード歌謡」「ムードのあるお店」が浮かびます。「ムード…? 雰囲気の話?」
ここが落とし穴。日本語の「ムード」は「雰囲気」ですが、英語の mood は「気分」です。"I'm in the mood for 〜" は「〜を欲する気分の中にいる=〜の気分だな」という意味で、日本語の「今日はラーメンの気分」「静かな曲の気分」と完全に同じ発想。今日はこの万能の型を、会話例と一緒に「使える状態」までもっていきます。
意味と使いどころ
"I'm in the mood for + 名詞" は、「いま自分は〜を欲する気分だ」と伝える型です。for の後ろを入れ替えるだけで無限に使い回せます。
- 食べ物:"I'm in the mood for sushi."(寿司の気分)——夕飯の相談で大活躍
- 娯楽:"I'm in the mood for a comedy."(コメディ映画の気分)——映画・音楽選びに
- 動詞を続けるなら to 不定詞:"I'm in the mood to dance."(踊りたい気分)
会話で見てみよう
▼ 金曜の夜、夕飯の相談
▼ 週末、映画を選びながら
似ている表現との違い
| 表現 | ニュアンス | 場面 |
|---|---|---|
| I'm in the mood for 〜. | 〜の気分だな(気分を描写) | 食事・映画・音楽など何を選ぶかの相談 |
| I feel like 〜. | 〜したい気がする(より軽い) | "I feel like eating out." など動詞のing形も続く |
| I'm craving 〜. | 〜が無性に食べたい(欲求強め) | 「どうしてもアレが食べたい!」というとき |
| I could go for 〜. | 〜とか良いかもね(控えめ提案) | "I could go for a coffee." と軽く水を向ける |
欲求の強さで並べると could go for < feel like ≒ in the mood for < craving。日常会話では in the mood for と feel like がほぼ互換ですが、craving は「渇望」レベルなので、妊娠中の「無性に食べたくなるアレ」も cravings と呼ばれます。
☕ ひとくちコラム 「ムーディーな店」は英語で通じない
日本語で「ムーディーなバー」と言えば「雰囲気のいい大人の店」。ところが英語の moody は「気分屋の・不機嫌な」という意味で、"a moody bartender" は「機嫌の悪いバーテンダー」になってしまいます。雰囲気のいい店を言いたいなら "a cozy bar" や "a bar with a nice atmosphere" が正解。「ムード」「ムーディー」は、カタカナと英語で意味がすれ違う代表選手です。
こうした「通じているつもりのカタカナ英語」は、実は日本人の英会話最大の落とし穴のひとつ。自分がどれだけ和製英語に頼っているか、和製英語ランキングで一度チェックしてみると驚くはずです。
今日のまとめ
今週、夕飯を決めるとき1回使ってみてください。「What do you want?」への答えが一気にネイティブらしくなります。