「君、歌うまいね!そういえばお母さんも元プロなんでしょ?」と言われたネイティブが、照れ笑いしながらこう返します。
初めて聞いた日本人の頭には、こう浮かびます。「run…?何が家の中を走ってるの?」
誰も走っていません。この run は「走る」ではなく、「(血や性質が)流れる・受け継がれる」という意味。日本語の「血筋だね」「蛙の子は蛙」に当たる、家族の話題で必ず出てくる一言です。褒められたときの謙遜まじりの返しとしても優秀なので、使いどころはかなり多めです。
意味と使いどころ
"It runs in the family." は、ある特徴が家族・家系に共通して受け継がれていると言うフレーズです。it の部分には直前に話題になった才能・性格・体質が入ります。
- 才能や特技を褒められたときの返しに("My dad's a chef, so it runs in the family.")
- 性格・癖の話に("Stubbornness runs in the family." 頑固は家系なんだ)
- 体質・見た目に("Curly hair runs in the family." くせ毛は遺伝でね)
会話で見てみよう
▼ 友達のイラストを見て
▼ 負けず嫌いな友達との会話
似ている表現との違い
| 表現 | ニュアンス | 場面 |
|---|---|---|
| It runs in the family. | 家系だね(才能から癖まで幅広い) | 家族の共通点の話全般 |
| It's genetic. | 遺伝だよ(理科っぽい響き) | 体質の説明・冗談めかした言い訳 |
| I get it from my mom. | 母親譲りなんだ(誰からか特定) | 「誰に似たの?」への答え |
| Like father, like son. | この父にしてこの子あり(ことわざ) | 親子のそっくりぶりへのコメント |
迷ったら "It runs in the family." が一番守備範囲の広い言い方です。誰から受け継いだかまで言いたいときは "I get it from my 〜." に切り替えると具体的になります。ちなみに like father, like son は第三者が「親子そっくりだね」と評するときの言葉で、自分の才能の説明にはあまり使いません。
☕ ひとくちコラム run は英語界きっての「多義語チャンピオン」
run は英語で最も意味の多い動詞の1つとしてよく紹介される単語です。鼻水が出るのは "My nose is running."、会社を経営するのは "run a company"、洗濯で色がにじむのは "The color runs."、遅刻しそうなのは "I'm running late."。共通するコアイメージは「止まらずに流れ続ける・動き続ける」。「走る」はその一部にすぎません。
中学で「run=走る」と覚えた単語ほど、こうしたコアイメージからの捉え直しで世界が一気に広がります。単語の丸暗記より「イメージで理解する」文法・語法の土台を作りたい人は、やり直し英文法から始めるのがおすすめです。
今日のまとめ
今週、家族の話になったら1回使ってみてください。「walk じゃなくて run ?」なんて聞き返されない、完璧なネイティブ表現です。