"Let's watch this horror movie tonight!"(今夜このホラー映画観ようよ!)と誘われたネイティブが、申し訳なさそうに笑って、こう言いました。
初めて聞いた日本人は、まずこう思います。「紅茶…?映画の話をしてたのに、なぜ急にお茶が出てきた!?」
"not my cup of tea" は、「私の好みには合わない」をやわらかく伝えるイギリス生まれの定番フレーズ。"I don't like it."(嫌い)と直球を投げずに済むので、相手の好きなものを否定せずに自分の苦手を言えます。人間関係を壊さない断り方として、これほど便利な表現はなかなかありません。
意味と使いどころ
"It's not my cup of tea." は、物事が自分の好み・趣味に合わないことを控えめに伝える表現です。ポイントは「モノが悪い」のではなく「私に合わないだけ」という責任の所在。だから相手を傷つけません。
- 映画・音楽・食べ物・スポーツなど好みの話全般に
- 誘いを断るときのやわらかい理由として
- really を添えて "not really my cup of tea" にすると、さらに当たりがソフトに
会話で見てみよう
▼ 週末のキャンプに誘われて
▼ 音楽の趣味の話で
似ている表現との違い
| 表現 | ニュアンス | 場面 |
|---|---|---|
| not my cup of tea | 好みじゃない(上品・やわらかい) | 相手の好きなものを否定したくないとき |
| not my thing | 自分向きじゃない(カジュアル) | 友達との気軽な会話 |
| I'm not a big fan of 〜 | あまり好きじゃない(遠回しの定番) | 食べ物・有名人などの好みに幅広く |
| I don't like it. | 嫌い(直球で強い) | はっきり伝える必要があるとき |
上の3つはどれも「嫌い」を言わずに済むクッション表現ですが、cup of tea はいちばん品よく、ユーモアも少し香る言い方です。ビジネスの雑談で使っても嫌味がありません。
☕ ひとくちコラム イギリス人と紅茶の本気度
イギリスでは今も1日に数千万杯単位の紅茶が消費されると言われ、職人さんが飲む濃くて甘いミルクティーには "builder's tea"(建築作業員の紅茶)という愛称まであります。困った人にはまず "I'll put the kettle on."(お湯わかすね)と紅茶を淹れるのがお約束。紅茶は飲み物というより、もはや文化的インフラです。
だから英語には紅茶のイディオムが豊富。"Not for all the tea in China."(中国中の紅茶をもらっても嫌=絶対に嫌)、"It's not much cop... " おっと、これは別の話。イギリス旅行を考えている人は、現地のティールームで使えるフレーズを旅行英会話まとめで仕入れておくと、旅が一段楽しくなります。
今日のまとめ
今週、好みじゃない話題が出たら1回使ってみてください。角を立てずに本音が言えます。