「今週、締め切りが早まったって聞いた?」と同僚に聞かれ、少し考えてからこう答えます。
Not that I know of.
私の知る限りではないよ。
「たぶんない、でも断言はしない」。責任を取りすぎないNo。
Not で始まって of で終わる。文の形がそもそも見慣れません。
意味は「私が知っている範囲ではない」。単なる No. と違って間違っていたときの逃げ道が残るのが最大の利点で、仕事で驚くほど重宝します。
意味と使いどころ
Not that I know of. は否定しつつ、自分の情報が完全ではないと認める返事です。誠実さと安全性を両立できます。
- 確証はないが、たぶんないと伝えたいとき
- 仕事で断言のリスクを避けたいとき
- 後ろに but let me double-check を足すとさらに丁寧
💡 元の形を補うと一瞬でわかる
完全な形は There is nothing that I know of.(私が知っているそのような事柄はない)。that I know of は「私の知識の範囲では」という限定を後ろから足す決まり文句です。同じ型に not that I'm aware of(同義・ややフォーマル)があります。
会話で見てみよう
▼ 社内の噂を確認されて
Did the deadline get moved up?
締め切り、早まったんですか?
Not that I know of. I'll check with Mia, though.
私の知る限りでは。ただミアに確認しておきます。
▼ 友達に人の予定を聞かれて
Is Ken seeing anyone these days?
ケンって今つきあってる人いる?
Not that I know of. Why, are you asking for a friend?
聞いた限りではいないね。なんで、友達に頼まれた?
asking for a friend は「友達のために聞いてる(本当は自分)」の定番ジョーク。
似ている表現との違い
| 表現 | ニュアンス | 場面 |
|---|---|---|
| Not that I know of. | 私の知る限りではない(逃げ道あり) | 確証がないが否定したいとき |
| No. | 違う(断言) | 事実をはっきり知っているとき |
| I don't think so. | そうは思わない(主観的) | 感覚として否定するとき |
| Not as far as I'm aware. | 私の認識している範囲では違う(フォーマル) | 会議・メールなど硬い場面 |
仕事で最も使い勝手がいいのがこの表現です。知らないことを知らないと言えるのは英語でも高評価。逆に確実に知っているなら、ぼかさず No. と言い切ったほうが信頼されます。
⚠️ 1つだけ注意
便利すぎて何にでも付けると「この人はいつも曖昧」という印象になります。自分の担当領域の質問には言い切る、範囲外なら Not that I know of. と使い分けるのがプロの答え方です。
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☕ ひとくちコラム 英語は「知らない」を細かく分ける
英語には「知らない」の濃度を表す言い方がいくつもあります。I don't know.(単純に知らない)、I'm not sure.(確信がない)、Not that I know of.(私の範囲では違う)、I have no idea.(見当もつかない)。日本語の「わかりません」一語に対して、この細かさです。
この差は責任の所在をはっきりさせる文化から来ています。どこまでが自分の知識で、どこからが推測かを言葉で線引きする習慣。会議で信頼される人ほど、この使い分けが正確です。仕事の言い回しはビジネス英語60でも整理しています。
今日のまとめ
📌 3秒でおさらい
確証がなければ Not that I know of.(私の知る限りでは)。否定しつつ逃げ道を残す大人の返事。
後ろに but let me check. を足せば、仕事でそのまま使えます。
後ろに but let me check. を足せば、仕事でそのまま使えます。