雨の中、朝5時に起きてボランティアのゴミ拾いに参加した同僚。その話を聞いたネイティブが、感心した顔でこう言います。
props を辞書で引くと「小道具」。演劇やドラマの撮影で使うアレです。初めて聞いた日本人は「え、小道具をあなたに?何かの差し入れ?」と混乱します。
実はこの props、proper respect(正当な敬意)から生まれたスラング。「あなたには敬意が支払われるべきだ→あっぱれ!リスペクト!」という意味の、ヒップホップ発の褒め言葉なんです。今ではジャンルを飛び出して、ネイティブの日常会話やSNSで広く使われています。今日はこれを、会話例と一緒に「使える状態」までもっていきます。
意味と使いどころ
"Props to you" は、誰かの行動・努力・度胸に「それは認めざるを得ない」と敬意を送るフレーズです。仲間ウチのカジュアルな賞賛として使います。
- 頑張り・親切・勇気ある行動に「あっぱれ!」と言いたいときに
- "Props to the chef."(シェフに拍手)のように to の後を変えれば誰でも讃えられる
- "I have to give you props."(それは認めるよ)と give 〜 props の形でも頻出
会話で見てみよう
▼ 人前で堂々とスピーチした友達に
▼ 手料理をふるまってくれた友達のキッチンで
似ている表現との違い
| 表現 | ニュアンス | 場面 |
|---|---|---|
| Props to you. | あっぱれ、リスペクト(スラング) | 友達・SNS・カジュアルな場 |
| Kudos to you. | 称賛を贈ります(やや上品) | 職場のチャットやメールでも◎ |
| Hats off to you. | 脱帽です | 実力・偉業への敬意 |
| Respect. | リスペクト(一語で) | 仲間ウチの短い賛辞 |
意味はどれも「あなたに敬意を」。使い分けはフォーマル度です。props はスラング寄り、kudos はギリシャ語由来でビジネスチャットでも通用、hats off は帽子を取って敬意を表す古典的ジェスチャーから。迷ったら、友達には props、職場では kudos が安全です。
☕ ひとくちコラム ヒップホップが英語の教科書になる日
props のようにヒップホップ文化から一般英語に「昇格」した言葉は、実はたくさんあります。diss(けなす=disrespect の略)、my bad(ごめん、俺のミス)、chill(まったりする)、hype(盛り上げ・誇大宣伝)。どれも今や世代を超えて使われ、辞書にも堂々と載っています。音楽が言葉を運び、言葉が文化を運ぶ、を地で行く現象です。
面白いのは、props も diss も「敬意(respect)」を軸にした言葉だということ。敬意を払えば props、欠けば diss。ヒップホップ文化がいかに respect を大切にしてきたかが、言葉の形にそのまま残っているわけです。継続的にすごい活躍をしている人には、勢いを讃えるYou're killing it.(絶好調じゃん、最高だよ)も合わせて使えると、褒め語彙がぐっとネイティブに近づきます。
今日のまとめ
今週、「それはすごい」と思う行動に出会ったら1回使ってみてください。敬意は口に出してこそ伝わります。