「このオファー、受けてもらえますか?」——転職の面談で即答を迫られたネイティブが、落ち着いた声でこう返します。

Let me sleep on it.
一晩考えさせて
大事な決断を急がず持ち帰るときの定番。ビジネスでも日常でも使える誠実な保留。

直訳すると「それの上で寝させて」。初めて聞いた日本人は「え、ベッドの話…?」と混乱します。

もちろんベッドの話ではありません。この on it は「その件について」。つまり「その件を抱えたまま一晩寝て、明日決める」=「一晩考えさせて」です。ただの先延ばしに聞こえないのがこのフレーズのすごいところで、「ちゃんと検討したいから持ち帰る」という誠実さまで伝わります。

意味と使いどころ

"Let me sleep on it." は、即答できない大事な話に対して「一晩置いてから返事したい」と伝えるフレーズです。

💡 なぜ on が「〜について」なの? この on は "a book on history"(歴史についての本)と同じ「〜に関して」の on。「その件をテーマにしたまま眠る」という構図です。「案件を枕の下に入れて寝る」イメージで覚えてもOK。一晩=明日には返事するという期限がセットになっているのがポイントです。

会話で見てみよう

▼ 転職のオファーを受けて

We'd love to have you on the team. What do you say?
ぜひチームに来てほしい。どうですか?
Thank you. It's a big decision, so let me sleep on it.
ありがとうございます。大きな決断なので、一晩考えさせてください。
即答を避けても失礼にならない、むしろ真剣さが伝わる返し方。

▼ 高い買い物で迷う友達に

Should I buy this laptop? It's 20% off today only.
このパソコン買うべきかな?今日だけ20%オフなんだよ。
If you're not sure, sleep on it. It'll probably still be there tomorrow.
迷ってるなら一晩寝かせなよ。明日もたぶん売ってるって。
相手へのアドバイスとして命令形で使うのも超頻出。

似ている表現との違い

表現ニュアンス場面
Let me sleep on it.一晩考えさせて(本気で検討)大事な決断の持ち帰り
Let me think about it.考えとくね(社交辞令にもなる)軽い保留・やんわり断りの入口
I'll get back to you.あとで返事しますビジネスの返答保留の定番
Give me some time.時間がほしい(期限あいまい)じっくり考えたいとき

大きな違いは「期限」と「本気度」。"I'll think about it." は文脈によっては「(たぶん買わないけど)考えとくね」というやんわりお断りのサインにもなります。一方 sleep on it は「一晩」という期限つきで、明日には答えを出すという約束を含む、いちばん誠実な保留です。

⚠️ 1つだけ注意 前置詞を落として "sleep with 〜" と言うと「〜と(男女の関係で)寝る」というまったく別の意味になります。"I'll sleep on it." と "I'll sleep with it."(それを抱いて寝ます?)も大違い。on it まで1セットで口に覚えさせてください。
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☕ ひとくちコラム 「一晩寝かせると判断が良くなる」は科学的にも本当

面白いのは、このフレーズが単なる先延ばしの口実ではないこと。眠っている間、脳はその日の情報を整理し、記憶を定着させる作業をしています。感情が高ぶったまま夜に下した決断より、一晩置いた朝の決断のほうが冷静になれる——昔の人が経験的に知っていた知恵を、現代の睡眠研究が裏付けつつあるわけです。詳しくは「寝ている間に脳が記憶を整理する」の記事で解説しています。

これは英語学習にもそのまま応用できます。寝る前に覚えたフレーズは、睡眠中の整理作業に乗って定着しやすい。つまりこのページを夜に読んでいるあなたは、今まさにベストタイミング。今日のフレーズを sleep on して、明日の朝もう一度声に出してみてください。

今日のまとめ

📌 3秒でおさらい 即答できない大事な話には "Let me sleep on it."(一晩考えさせて)。相手に勧めるなら "Sleep on it."。on it は「その件について」、with と間違えない
今週、迷う場面が来たら1回使ってみてください。焦って決めない人、という信頼まで手に入ります。
🔊 このフレーズ、耳でも覚えよう

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