オフィスで同僚がパソコンの画面に集中しています。ちょっと確認したいことがあって近づいたネイティブの同僚は、肩を軽くたたきながらこう切り出します。

Sorry to bother you, but...
すみません、ちょっといいですか
誰かに話しかける直前に添える一言。本題はこの後に続く。

これを直訳すると「あなたを迷惑させてすみません」。初めて聞いた日本人はこう思います。「え、そんな大げさに謝るほどのこと?」

実はそんなに重い言葉ではありません。"bother" は「迷惑」の重さを測って言っているわけではなく、話しかける前にワンクッション置くための決まり文句です。日本語の「すみません」も、本来は「済まない(=償いきれない)」という重い意味なのに、道を聞くときにも軽く使いますよね。それと同じ感覚で、ネイティブはこの "Sorry to bother you, but..." を1日に何度も、深く考えずに口にしています。今日はこれを、会話例と一緒に「使える状態」までもっていきます。

意味と使いどころ

"Sorry to bother you, but..." は、相手の作業や時間を少し中断させて何かを頼む・尋ねる前に添えるクッション言葉です。「本題」はこのあとに続きます。

💡 なぜ「迷惑」なのに軽く使えるの? このフレーズの役目は「相手の時間を少し使わせてもらう自覚があります」と示すサインを出すこと。実際に迷惑度が高いかどうかとは関係なく、相手が今何かに集中していそうなときほど反射的に出てくる前置きです。重さを測る言葉ではなく、相手への配慮を一言で添えるテンプレートだと考えると気軽に使えます。

会話で見てみよう

▼ オフィスで、資料を見ている同僚に

Sorry to bother you, but do you have the client's new email address?
すみません、ちょっといいですか。あのクライアントの新しいメールアドレス、持ってますか?
Oh, sure. Let me pull it up.
あ、もちろん。今出すよ。

▼ 街で、スマホの地図を見ながら困っている人に声をかける

Sorry to bother you, but could you point me toward the station?
すみません、ちょっといいですか。駅の方向を教えてもらえますか?
No problem at all. It's just down this street.
全然いいですよ。この道をまっすぐです。
"No problem at all." は「クッション言葉、気にしなくていいよ」という定番の返し。

似ている表現との違い

表現ニュアンス場面
Sorry to bother you, but...お願い・質問の前のクッション仕事中・集中している相手に話しかけるとき
Excuse me,ニュートラルに注意を引く初対面の相手・店員・通りがかりの人全般
Sorry to interrupt, but...話に割り込んでごめんすでに会話中・何か作業中の人の間に入るとき
Got a sec?ちょっといい?(軽い)親しい同僚・友達とのカジュアルな場面

どれも「話しかける前のワンクッション」ですが、相手との距離感で選ぶのがポイントです。知らない相手やお願いの重さが少し気になるときは "Sorry to bother you"、すでに誰かと話している輪に入るときは "Sorry to interrupt"、気心知れた同僚には軽い "Got a sec?" が自然です。

⚠️ 1つだけ注意 話しかけた後、会話が終わってから改めて "Sorry for bothering you." と言うと、こちらは「(たった今)邪魔してごめんね」という過去形の後始末のあいさつになります。話しかける前は bother you(現在形)、話し終えたあとの一言は bothering you(過去の出来事として)と覚えると位置で迷いません。
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☕ ひとくちコラム 先に謝っておく英語の作法

英語には "Sorry" を本気の謝罪ではなく、相手への配慮を示す記号として使う場面がたくさんあります。"Sorry, what was that?"(すみません、もう一度お願いできますか)もその一つで、聞き返すこと自体は悪いことではないのに、クッションとして "Sorry" を先に置きます。言語学ではこれを「相手への負担を和らげるための前置き」と呼びますが、仕組みを知らなくても「英語は本題の前にひと声かける文化」と覚えておけば十分です。

日本語の「あの、すみません」と発想はほぼ同じなので、感覚としてはすでに日本人の中にあるはず。あとは場面ごとにどのフレーズを選ぶかの練習だけです。こうした言い回しの切り替えは瞬間英作文トレーニングで繰り返すと、とっさの場面でも自然に出てくるようになります。

今日のまとめ

📌 3秒でおさらい 誰かに話しかける前は "Sorry to bother you, but..."。すでに話している人の間に入るなら "Sorry to interrupt, but..."、親しい相手には軽く "Got a sec?"。
今週、誰かにちょっと話しかけたい場面があれば1回使ってみてください。相手はごく自然に受け止めてくれます。
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