「そういえばマイク、最近彼女できたらしいよ」と噂話をしていたら、当のマイクがドアから入ってきました。ネイティブはニヤリと笑ってこう言います。
単語だけ拾った日本人は、ぎょっとします。「devil って悪魔だよね…?マイクの悪口を言ってたってこと?」
違います。マイクは悪魔呼ばわりされていません。これは日本語の「噂をすれば(影)」と完全に同じ場面で使う決まり文句で、噂の内容が褒め話でも世間話でもOK。本人の目の前で笑顔で言えるフレーズです。ネイティブの日常で頻出なのに、教科書には載っていません。今日はこれを、会話例と一緒に「使える状態」までもっていきます。
意味と使いどころ
"Speak of the devil" は、誰かの話をしていたら、まさにその本人が現れたときに言うフレーズです。「いま君の話してたんだよ!」という驚きと面白がりを一言で伝えます。
- 噂していた本人が部屋に入ってきた瞬間に
- 話題にしていた人からちょうど電話やメッセージが来たときに
- 本人に向かって言っても、周りに向かって言ってもOK。たいてい笑いながら言う
会話で見てみよう
▼ オフィスで同僚の噂話をしていたら
▼ 友達の話をしていた瞬間にスマホが鳴る
似ている表現との違い
| 表現 | ニュアンス | 場面 |
|---|---|---|
| Speak of the devil. | 噂をすれば!(定番のユーモア) | 噂の本人が現れた瞬間 |
| Your ears must be burning. | 耳がかゆかったでしょ=噂してたよ | あとから本人に「噂してた」と伝える |
| What a coincidence! | すごい偶然! | 人に限らず偶然全般 |
| Perfect timing! | ナイスタイミング! | ちょうどいいときに来た人へ |
面白いのは "Your ears must be burning."。英語圏には「噂されると耳が熱くなる」という迷信があり、そこから「さっき君の噂をしてたんだよ」の意味になりました。"Speak of the devil" が「現れた瞬間」専用なのに対し、こちらは後日「この前噂してたよ」と伝えるときにも使えます。
☕ ひとくちコラム 日本の「噂をすれば影」と、まさかの一致
日本語の「噂をすれば影(が差す)」も、実は「噂をするとその人の影がそこに現れる」という言い伝えから来ています。英語は「悪魔の話をすると悪魔が現れる」、日本語は「噂をすると影が現れる」。海を隔てた2つの文化が、まったく同じ発想のことわざを別々に生み出していたわけです。「噂は本人を呼ぶ」という感覚は、人類共通なのかもしれません。
こうした「文化は違うのに発想が同じ」表現は、背景ごと覚えると忘れません。逆に「英語っぽいのに英語じゃない」言葉たちの話は和製英語ランキングで楽しめます。あわせてどうぞ。
今日のまとめ
今週、誰かの話をしていて本人が登場したら、すかさず使ってみてください。