映画の感想を聞かれたネイティブが、"It was way too long."(長すぎたね)と文句を言ったあと、一呼吸おいてこう続けます。
日本人が逆接で使える英語は、ほぼ but と however の2つだけ。でも but は直前の発言を打ち消す響きが強く、「長すぎた。でも泣いた」だと前半がなかったことになりがちです。
"That being said," は違います。「今言ったことは本当。それはそのままで、でもね」と、前言を生かしたまま反対側の意見を乗せられる。意見にニュアンスを持たせたい大人の会話で、ネイティブが一日に何度も使うつなぎ表現です。
意味と使いどころ
"That being said," は、直前に述べたことを認めた上で、対照的な内容・逆方向の意見を導入する前置きです。日本語の「とはいえ」「そうは言っても」にぴったり重なります。
- 批判したあとにフォローを足すとき
- 褒めたあとに懸念や注文を添えるとき
- 議論で相手に譲歩を見せてから自分の意見を言うとき
会話で見てみよう
▼ 新しいカフェの感想を話す
▼ 会議で企画への意見を言う
似ている表現との違い
| 表現 | ニュアンス | 場面 |
|---|---|---|
| That being said, | 前言を認めたまま逆方向へ(丁寧め) | 会話・仕事のどちらでも◎ |
| That said, | 同じ意味の短縮版(軽快) | 日常会話・カジュアルな文章 |
| Having said that, | 同じ意味の言い換え | 話し言葉で自然 |
| However, | しかし(かたい逆接) | 書き言葉・フォーマル寄り |
上の3つは意味はほぼ同じで、長さと丁寧さが違うだけ。迷ったら一番短い "That said," から使い始めるのがおすすめです。however は正しいものの論文調で、雑談で連発すると少し仰々しく聞こえます。
☕ ひとくちコラム 嫌われ者の「分詞構文」は会話で生きていた
受験英語で最も嫌われる文法のひとつが分詞構文。「〜されると、〜しながら」と訳し方ばかり暗記させられて、多くの人が「一生使わない」と思ったはずです。ところが実際の英会話には、That being said, / Speaking of which,(その話といえば)/ Given that...(〜を考えると)/ Weather permitting(天気が良ければ)と、分詞構文出身の決まり文句が大量に生息しています。
コツは、文法として組み立てないこと。「とはいえ= That being said,」と丸ごと1つの単語のように覚えるだけで、分詞構文は攻略済みになります。文法の仕組みから捉え直したい人はやり直し英文法もどうぞ。
今日のまとめ
今週、何かを褒めたあとに一言足したくなったら使ってみてください。意見が急に「大人」になります。