「そんなに行きたいなら、ライブのチケット買えばいいじゃん」と言われたネイティブが、眉を寄せてこう返します。
直訳で考えると、日本人はポカンとします。「それがそのモノです…?どのモノ??」
この thing はただの「物」ではありません。「問題のポイント・話の核心」のことです。つまり "That's the thing." は「まさにそこが引っかかってるんだよ」という意味で、このあとには必ず「実は…」という事情説明が続きます。ネイティブの会話を聞いていると1日に何度も登場する口ぐせなのに、教科書には載っていません。今日はこれを、会話例と一緒に「使える状態」までもっていきます。
意味と使いどころ
"That's the thing" は、相手の発言がちょうど問題の核心に触れたときに「そこなんだよ」と受け止めて、事情や本音を切り出すためのフレーズです。
- 「〜すればいいじゃん」というアドバイスに、「それができない事情がある」と返すときに
- 議論で「まさにそこがポイントなんだ」と強調するときに
- "That's the thing, though."(でもさ、そこなんだよ)と though を付けてやわらかく反論に入る形も定番
会話で見てみよう
▼ 飲み会に誘われたけれど…
▼ 会議で新しいツールの導入を議論中
似ている表現との違い
| 表現 | ニュアンス | 場面 |
|---|---|---|
| That's the thing. | そこなんだよ(相手の言葉を受けて核心へ) | アドバイスや指摘への返し |
| The thing is... | 実はね…(自分から核心を切り出す) | 言いにくい事情の前置き |
| Here's the thing. | いいかい、ここが大事なんだけど | 説明モードに入る合図 |
| That's the point. | それが狙いだ・そこが主旨だ | 意図や目的を確認する場面 |
3つの thing 系はどれも「核心はこれ」という前置きですが、"That's the thing" だけは相手の発言を受けるリアクション型。自分から話を切り出すなら "The thing is..." か "Here's the thing." を使います。この3点セットで覚えるのが効率的です。
☕ ひとくちコラム 英語界の万能選手 thing
thing はネイティブ会話の万能選手です。"It's a thing now."(いまやそれ、流行ってるんだよ/ちゃんと存在するんだよ)、"It's not my thing."(俺の趣味じゃないんだよね)、"How are things?"(調子どう?)。「物」と訳した瞬間に意味がずれる thing だらけなのが英語の日常会話です。
共通するイメージは「名前をつけずに指せる何か」。あいまいに指せるからこそ、話題・趣味・状況・核心、何にでも化けます。この手の「教科書に載らない普段着の英語」をまとめて浴びたい人はネイティブが毎日使うスラング50連発もどうぞ。
今日のまとめ
今週、「それができたら苦労しないよ」と言いたくなったら、まずこの一言から始めてみてください。