旅行の話をしていたネイティブに電話が割り込みます。通話を終えて戻ってきた彼女の第一声がこれ。
直訳すると「私はどこにいた?」。場所を聞かれたと思って "In Tokyo?"(東京だよ?)なんて答えたら、会話事故の現場になります。
これは「(中断する前)話のどこまで進んでいたっけ?」という意味の決まり文句。話し好きのネイティブは脱線の常習犯なので、このフレーズの登場頻度は驚くほど高い。そして実は、話が飛びがちな英語学習者にこそ必要な「復帰ボタン」でもあります。
意味と使いどころ
"Where was I?" は、話が中断・脱線したあとに元の話へ戻るときのひとことです。相手に「どこまで話したか教えて」と助けを求める形をとりつつ、半分は独り言。
- 電話・店員さん・通知などの割り込みで話が途切れたあとに
- 自分で脱線して「えっと、何の話だっけ」と戻るときに
- 相手と一緒に中断したなら "Where were we?"(私たち、どこまでだっけ?)
会話で見てみよう
▼ 電話の割り込みから復帰
▼ 休憩明けの打ち合わせで
似ている表現との違い
| 表現 | ニュアンス | 場面 |
|---|---|---|
| Where was I? | 自分の話、どこまでだっけ | 自分が話し手のとき |
| Where were we? | 私たちの話、どこまでだっけ | 会議・共同作業の再開 |
| As I was saying, | さっきの続きだけど | 自力で話を巻き戻す |
| Anyway, | とにかく・それはさておき | 脱線を強制終了して本筋へ |
"Where was I?" は相手に助けを求める形、"As I was saying,"(さっき言いかけていたように)は自力で戻る形です。組み合わせて "Where was I? Oh right — as I was saying, ..."(どこまでだっけ?ああそうだ、さっきの続きだけど…)と流れるように使うのもネイティブの定番ムーブ。
☕ ひとくちコラム 英語は会話を「道」で考える言語
"Where was I?" が成立するのは、英語が会話を空間としてイメージする言語だからです。話題から外れると "We're getting off track."(道から外れてきた)、本筋に戻るときは "Let's get back on track."(道に戻ろう)、先へ進めるなら "Moving on."(次へ)。会話は道、話題は現在地、脱線は文字どおり「線から脱すること」という比喩が、日常表現の中に一貫して埋め込まれています。
このイメージを1つ持っておくと、track / point / direction を使った表現がまとめて腑に落ちます。単語をバラバラに暗記するより、比喩のネットワークごと覚えるのが結局近道。独学の進め方は英会話の独学勉強法で詳しく解説しています。
今日のまとめ
今週、話が脱線したら黙ってリセットせず、この一言で戻ってみてください。脱線すら会話の技になります。