面接会場のドアの前。深呼吸を繰り返す友達の肩を、ネイティブがポンと叩いてこう言います。

You've got this.
君ならできる。
本番直前の人に掛ける鉄板エール。面接・試験・試合・発表、あらゆる「直前」で使われる。

直訳すると「君はこれを持っている」。初めて聞いた日本人は「これって何?チケット?持ち物の確認?」と混乱します。

この this は「目の前の課題・状況」のこと。つまり「この状況はもう君の手の中にある=君ならやれる」という、根拠を添えた励ましなんです。Good luck(幸運を)よりも力強く、ネイティブが本番直前の友達に真っ先に掛ける言葉。今日はこれを、会話例と一緒に「使える状態」までもっていきます。

意味と使いどころ

"You've got this" は、挑戦を目前にした人へ「君にはやり切る力がある」と自信を注入するフレーズです。会話では 've が消えて "You got this." と言われることも非常に多いです。

💡 なぜ「持ってる」が「できる」なの? have got は「所有」。目の前の課題(this)をすでに手の中に収めているイメージです。"I've got it under control."(状況は掌握してる)と同じ発想で、「課題はもう君の支配下にある→君なら制御できる→できる!」となります。日本語の「勝負あった、もうもらった!」の「もらった」に近い感覚です。

会話で見てみよう

▼ 就職面接に向かう友達へ

My interview is in ten minutes. My heart is pounding.
あと10分で面接だ。心臓バクバクしてる。
Deep breath. You've prepared for weeks. You've got this.
深呼吸して。何週間も準備してきたじゃん。君ならできるよ。
「準備してきた」という根拠を添えると、励ましの説得力が跳ね上がる。

▼ 試験当日の朝、メッセージで

Today's the big day. Good luck — you got this!
いよいよ本番だね。頑張って、君ならいける!
くだけた会話や SNS では 've を落とした You got this. が主流。
Thanks! I'll text you as soon as it's over.
ありがとう!終わったらすぐ連絡するね。

似ている表現との違い

表現ニュアンス場面
You've got this.君ならやり切れる(根拠ある自信)本番直前の人への一言
You can do it.君ならできる(まっすぐな応援)挑戦全般。やや教科書的
Good luck.幸運を祈る結果が運に左右される場面
Break a leg.成功を祈る(舞台の言い回し)発表・公演・オーディション

"You can do it" が能力への応援なのに対し、"You've got this" は「すでに勝負はついてる、あとはやるだけ」という完了感が魅力。Good luck が「運まかせ」に聞こえる場面(実力で挑む面接など)では、You've got this のほうが気持ちよく刺さります。

⚠️ 1つだけ注意 主語を変えた "I got this." は「ここは自分がやる、任せろ」という引き受け宣言になります。重い荷物を持とうとした人に "I got this."(俺が持つよ)、トラブル対応で "I got this."(ここは任せて)。You got this は「君を信じる」、I got this は「俺に任せろ」。主語ひとつで矢印の向きが真逆になるので注意です。
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☕ ひとくちコラム なぜ「足を折れ」が激励なのか

比較表に登場した "Break a leg."(足を折れ)は、舞台俳優の世界で生まれた励ましです。演劇界には「本番前に Good luck と言うと逆に不運を招く」という迷信があり、わざと縁起の悪い言葉を掛けることで魔除けにした、というのが定説。今ではオーディションや発表会など、舞台に限らず広く使われています。

面白いのは、英語の激励が「運を祈る」系と「力を信じる」系の二本立てになっていること。運の Good luck、魔除けの Break a leg、そして信頼の You've got this。相手の挑戦が実力勝負なら、迷わず You've got this を選びましょう。長丁場で苦しくなってきた人には、耐える人への定番Hang in there.(踏ん張れ、あと少し)へのバトンタッチが効きます。

今日のまとめ

📌 3秒でおさらい 本番直前の人には "You've got this."(君ならできる)。カジュアルには "You got this."。自分への喝は "I've got this."
今週、大事な場面に向かう人がいたら1回使ってみてください。直前の一言は、想像以上に残ります。
🔊 このフレーズ、耳でも覚えよう

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