「遅刻が多いよ」と注意されたルームメイトが「でも先週は君も遅れたよね」と反論。それを聞いた相手が、静かにこう返します。
直訳すると「それは点のそばにある」。日本人はここで「点のそば…? 近いならいいんじゃないの?」と考え込んでしまいます。
発想は逆で、「的(the point)のど真ん中ではなく、横に外れている」=「論点そのものじゃない」という意味。相手の言い分を「間違い」と切り捨てるのではなく、「今その話はしていない」と交通整理するフレーズです。議論をスマートに戻すこの一言、英語で意見を言う人には必修です。
意味と使いどころ
"beside the point" は、発言が今の議論の本筋から外れていることを指摘する表現です。the point は「論点・要点」。その横(beside)にある、つまり的の中心を外しているというイメージです。
- 議論で関係ない反論・言い訳が出てきたとき
- 会議で話が本筋からそれたときの軌道修正に
- "That's true, but it's beside the point."(それはそうだけど、論点じゃない)のように一度認めてから戻すと角が立たない
会話で見てみよう
▼ 家族会議、ゲーム時間をめぐって
▼ 会議で予算の議論中
似ている表現との違い
| 表現 | ニュアンス | 場面 |
|---|---|---|
| That's beside the point. | それは論点じゃない(本筋に無関係) | 議論の軌道修正 |
| That's not the point. | 言いたいのはそこじゃない(やや強め) | 自分の真意が伝わっていないとき |
| That's off topic. | それは議題外の話 | 会議・授業でテーマから外れたとき |
| That's irrelevant. | それは無関係(かなり強い) | 法廷ドラマ調。日常ではきつく響く |
強さの順に並べると、おだやかな順で beside the point → not the point → irrelevant のイメージです。beside the point は「内容は認めつつ、置き場所が違うと言う」表現なので、相手の顔を立てながら議論を戻せるのが強み。ビジネスで最初に覚えるならこれです。
☕ ひとくちコラム 英語人は「point」で議論を見ている
英語の議論用語は point だらけです。的に当たれば "Good point."(いい指摘だね)、外れれば "beside the point"、わざと外した解釈には "You're missing the point."(論点を取り違えてるよ)。英語話者は議論を「的当てゲーム」の比喩で捉えていて、発言のたびに「今のは当たったか、外れたか」を無意識に判定しているわけです。
この「一度受け止めてから修正する」話法は、譲歩フレーズと組み合わせると最強になります。たとえば To be fair.(公平に言えばね)で相手の言い分に一理あると認めてから、"but that's beside the point" と戻す。反論のうまい人は、実はこの「認める→戻す」の二段構えを使っているのです。
今日のまとめ
今週、議論が横道にそれたら1回使ってみてください。「議論を仕切れる人」の仲間入りです。