「最近のリメイク映画は原作超えが多いよね」と力説していた友人が、身を乗り出してこう続けます。
初見の日本人は「ケース? ポイント? 事件の要点…?」と単語の並びに戸惑います。学校では絶対に習わない組み合わせですから無理もありません。
"Case in point" は「いま話している論点(point)にぴったり当てはまる実例(case)」という意味の決まり文句。「例えば」と例を挙げるというより、「ほら、動かぬ証拠がここにある」と切り札を出す感覚です。これが使えると、英語の主張に一気に説得力が出ます。
意味と使いどころ
"Case in point" は、直前に述べた主張を裏付ける、まさにぴったりの具体例を提示するときの表現です。「主張 → Case in point: 実例」の順で使うのが基本形です。
- 自分の主張に説得力のある実例を添えるとき
- プレゼンでデータや事例を切り札として出すとき
- 目の前で主張どおりのことが起きたら "Case in point." の一言だけでも決まる
会話で見てみよう
▼ 同僚と会議のあり方について
▼ 「うちの犬は天才」と自慢する飼い主
似ている表現との違い
| 表現 | ニュアンス | 場面 |
|---|---|---|
| Case in point: | いい例がまさにこれ(決めの一枚) | 主張を裏付ける切り札の実例 |
| For example, | 例えば(中立・複数例の一つ) | 説明で例を挙げる万能選手 |
| A perfect example is 〜 | 完璧な例は〜 | case in point の説明的な言い換え |
| Exhibit A: | 証拠物件その1(おどけた強調) | 法廷パロディでユーモラスに証拠を出す |
"for example" が例を並べる表現なら、"case in point" は例を突きつける表現。基本的にとっておきの1例に使い、例を3つも4つも連ねる場面には向きません。ここぞの場面だけで抜く刀だからこそ、決まるのです。
☕ ひとくちコラム 日常会話は小さな法廷である
英語の雑談には、法廷由来の表現が驚くほど紛れ込んでいます。証拠を出すときの "Exhibit A"(証拠物件A)、有罪を認める "Guilty as charged."(おっしゃる通りです)、そして本記事の "case in point"。英語圏の人々は日常の言い合いをちょっとした裁判ごっことして楽しむ癖があり、証拠をバーンと出す快感がこうしたフレーズに詰まっています。
主張の組み立てという意味では、本題を切り出す Here's the thing.(あのさ、実はね)との相性が抜群です。"Here's the thing" で論点を立て、"case in point" で証拠を出す。この2つをつなげるだけで、あなたの英語トークは「なんとなくの感想」から「筋の通った主張」に化けます。
今日のまとめ
今週、何かを力説する場面があったら1回使ってみてください。説得力が目に見えて変わります。