「最近ケンに会った?」と聞かれたネイティブが、少し考えてからハッとした顔でこう言います。
文頭に動詞の Come。日本人はここで固まります。「え、命令文?『考えに来なさい』…?」
これは命令ではなく、「考えてみれば」「そういえば」 という意味の決まり文句。会話の流れの中で記憶をたどっていたら、ふと新しい事実に気づいてしまった瞬間に口をつく一言です。「言われて初めて意識したけど、確かに…」という頭の中の動きがそのまま音になったようなフレーズで、ネイティブの雑談には欠かせません。
意味と使いどころ
"Come to think of it" は、話題に関連して、いま思い当たったことを付け加えるときの前置きです。日本語の「考えてみれば」「そういえば」「言われてみると」にほぼそのまま対応します。
- 質問に答えている途中でふと気づいた事実を言うときに
- 「そういえばあれもそうだ」と関連する記憶を思い出したときに
- 独り言のように自分の発見に自分で驚くニュアンスでも
会話で見てみよう
▼ ランチの店を決めながら
▼ 財布が見つからない友達と
似ている表現との違い
| 表現 | ニュアンス | 場面 |
|---|---|---|
| Come to think of it, | 考えてみれば(自分で気づく) | 会話中にふと思い当たったとき |
| Now that you mention it, | 言われてみれば(相手の指摘で気づく) | 指摘への同意+気づき |
| That reminds me, | それで思い出した | 別の話題へ連想ジャンプ |
| On second thought, | 考え直したら(意見の変更) | 直前の自分の発言を撤回 |
一番の親戚は Now that you mention it,(言われてみれば)。違いは気づきのきっかけで、相手の発言がきっかけなら Now that you mention it、自分の頭の中で勝手に気づいたら Come to think of it です。どちらも「新情報に自分でちょっと驚いている」空気をまといます。
☕ ひとくちコラム 主語が消える英語たち
「英語は必ず主語が要る」と学校で習いますが、実は話し言葉の英語では主語がポロポロ落ちます。"Sounds good."(いいね)は It が、"Been there."(経験あるよ)は I've が、"Wanna go?"(行く?)は Do you が消えた形。今回の "Come to think of it" も「(Now that I) come to...」の主語が脱落した仲間です。
面白いのは、こうした省略形が崩れた英語ではなく決まり文句として市民権を得ていること。ネイティブの頭の中では、もはや文法的に分解されず「ひとかたまりの音」として保存されています。だから学習者も、分解して覚えるよりチャンク(かたまり)ごと口に馴染ませるのが最短ルート。その練習には瞬間英作文トレーニングがうってつけです。
今日のまとめ
今週、会話の途中で「あ、そういえば」と思った瞬間に1回口に出してみてください。雑談の続きが自然に生まれます。