最新スマホの価格を見たネイティブが、ため息まじりに首を振ってこう言います。

It costs an arm and a leg.
べらぼうに高い
「値段が法外に高い」の定番イディオム。愚痴・雑談で大活躍。

直訳すると「それは腕1本と脚1本の値段がする」。初めて聞いた日本人は、ちょっとした恐怖を感じます。「え、体で払うの…?」

もちろん本当に体で払うわけではありません。「腕や脚を差し出さないと買えないくらい高い」という誇張表現で、日本語の「目玉が飛び出るほど高い」と同じ発想です。家賃、医療費、ブランド品 — ネイティブは高い出費のたびにこれを言っています。今日はこれを、会話例と一緒に「使える状態」までもっていきます。

意味と使いどころ

"cost an arm and a leg" は、「とんでもなく高い・法外な値段がする」という意味の決まり文句です。深刻な抗議ではなく、「高すぎでしょ〜」という愚痴・雑談のトーンで使います。

💡 なぜ「腕と脚」なの? 腕も脚も、お金では買えない「何より大切なもの」の代表です。それを代償にしないと手に入らない=常識外れに高い、という誇張。日本語の「身を切るような出費」と発想が近く、「体の一部を持っていかれるレベルの値段」とイメージすれば忘れません。

会話で見てみよう

▼ 部屋探し中の友達と

How's the apartment hunting going?
部屋探し、進んでる?
Rough. Everything downtown costs an arm and a leg.
厳しいね。都心の物件、どこもべらぼうに高くてさ。

▼ 結婚式の見積もりを見ながら

The venue alone costs an arm and a leg.
会場だけでも、とんでもない値段するんだけど。
Wow. Maybe we should look at other options.
うわ。他の選択肢も見たほうがいいかもね。
alone を後ろに付けると「〜だけでも」。見積もりの愚痴で大活躍。

似ている表現との違い

表現ニュアンス場面
costs an arm and a legべらぼうに高い(誇張)高額な出費の愚痴・雑談
priceyお高め(軽い)「ちょっと高いね」程度
a rip-offぼったくり(非難)値段が価値に見合わないとき
costs a fortuneひと財産かかる(誇張)arm and a leg とほぼ同じ

注意したいのは a rip-off だけ意味がズレること。rip-off は「その値段の価値がない=騙されてる」という非難です。高いけれど価値は認めている(高級ホテルなど)なら costs an arm and a leg や costs a fortune を使いましょう。

⚠️ 1つだけ注意 これはカジュアルな誇張表現なので、商談や見積もり交渉などフォーマルな場面には不向きです。ビジネスでは "It's beyond our budget."(予算を超えています)や "It's quite expensive." を。友達との愚痴では arm and a leg、が使い分けの目安です。
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☕ ひとくちコラム 「肖像画の腕代」説はウソだった

このイディオムの語源として有名なのが「昔の肖像画は、腕や脚まで描いてもらうと追加料金だったから」という説。もっともらしいのですが、これは後付けの俗説とされています。実際にこの表現が文献に登場するのは意外と新しく、第二次世界大戦後のアメリカ。"I'd give my right arm for it."(それのためなら右腕を差し出してもいい)のような、体を代償にする言い回しから生まれたと考えられています。

戦争で実際に腕や脚を失った時代の空気が、「大切なものの代償」という表現にリアリティを与えたのかもしれません。ちなみに、腕と脚の値段の買い物を続けた結果どうなるかというと — I'm broke.(金欠なんだ)。こちらもセットでどうぞ。

今日のまとめ

📌 3秒でおさらい 高すぎる値段には "It costs an arm and a leg."(べらぼうに高い)。払った後なら "I paid an arm and a leg for it."。ぼったくり非難は a rip-off と使い分け。
今週、値札に目玉が飛び出そうになったら1回つぶやいてみてください。
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