「駅まで車で送ろうか?」と申し出てくれた友達に、ネイティブは笑顔で手を振りながらこう言います。
bother =「邪魔する・悩ませる」と覚えている日本人は、ここで混乱します。「Don't bother……邪魔しないで!?せっかく親切にしてくれたのに!?」
誤解です。ここでの bother は「邪魔」ではなく「わざわざ手間をかける」という意味。"Don't bother." は「そんな手間をかけなくていいよ、お構いなく」という、相手の負担を減らしてあげる優しい断りなんです。日本語の「わざわざいいって!」に、ほぼ1対1で対応します。
意味と使いどころ
bother には「(人を)悩ませる」のほかに「わざわざ〜する・手間をかける」という意味があります。"Don't bother." は、相手がしてくれようとしている手間を「不要だよ」と止めるフレーズです。
- 送迎・手伝い・おもてなしなどの申し出をやんわり辞退するときに
- "Don't bother driving me. I'll walk."(送ってくれなくて大丈夫、歩くよ)と bother + 動詞ing で具体化できる
- 丁寧に言うなら "Please don't bother. I'm fine."(本当にお構いなく)
会話で見てみよう
▼ 帰り際、雨が降ってきた
▼ 友達の家で、お茶を出そうとしてくれた
似ている表現との違い
| 表現 | ニュアンス | 場面 |
|---|---|---|
| Don't bother. | わざわざいいよ(手間を止める) | 送迎・手伝いなどの申し出への返事 |
| No need. | その必要はないよ(事実ベース) | 「もう済んでる」など理由があるとき |
| Don't worry about it. | 気にしないで | 相手が恐縮・心配しているとき |
| I'm good, thanks. | 大丈夫、ありがとう(丁寧な辞退) | おかわり・勧めへの定番の断り |
4つとも「お構いなく」ファミリーですが、Don't bother. は相手がこれから掛けようとしている手間を止めるのが専門。すでに済んだことへのお詫びには Don't worry about it.、飲み物の勧めには I'm good, thanks. が自然です。迷ったら "I'm good, thanks." がいちばん事故りません。
☕ ひとくちコラム bother 一族は「めんどくさい」の宝庫
bother はネイティブの日常に驚くほど頻出する単語です。人に声をかける前の "Sorry to bother you."(お邪魔してすみません)、「なんで気にするの?」の "Why bother?"(そんなの、やるだけ無駄じゃない?)、そして極めつけが "I can't be bothered."——「わざわざやる気になれない=めんどくさい」という、英語圏の国民的ぼやきです。
この「めんどくさい」の決定版はI can't be bothered. の記事で丸ごと解説しています。bother=「小さな負担」と掴んでおけば、邪魔・手間・面倒の全部に応用が利く。1単語で3つの表現が手に入る、コスパ最強の単語です。
今日のまとめ
今週、誰かが気を使ってくれたら、感謝を添えてこの一言を返してみてください。