"You're eating chocolate again?"(またチョコ食べてるの?)と呆れられたネイティブが、肩をすくめてこう返します。
直訳しようとした日本人は、頭の中が「?」でいっぱいになります。「助けられない…? 誰を?」
実はこの help は「助ける」ではありません。「避ける・こらえる」という help のもう1つの意味が使われていて、"I can't help it" は「それを避けられない=やめられない・仕方ない」となります。笑いをこらえられないとき、つい食べちゃうとき、好きになっちゃったとき——ネイティブが感情に負けた瞬間、必ず出てくる超頻出フレーズです。
意味と使いどころ
"I can't help it" は、自分の意志では止められない行動や感情を「どうしようもないんだ」と認めるときの一言です。開き直りにも、かわいい言い訳にもなります。
- つい食べる・つい買う・つい笑うなどクセや衝動の言い訳に
- "I can't help laughing."(笑わずにいられない)のように can't help + -ing で「〜せずにいられない」
- "I can't help but smile."(笑顔になっちゃう)という can't help but + 動詞 の形もほぼ同じ意味
会話で見てみよう
▼ 夜中のポテチを見つかって
▼ 会議中に笑ってしまった同僚
似ている表現との違い
| 表現 | ニュアンス | 場面 |
|---|---|---|
| I can't help it. | やめられない・どうしようもない | 自分の衝動やクセの言い訳 |
| I can't resist. | 誘惑に勝てない | 甘いもの・セールなど「誘惑」相手 |
| I can't stop myself. | 自分を止められない | 行動がエスカレートしている感じ |
| It can't be helped. | それは仕方がない | 状況を諦めて受け入れるとき |
注目は最後の "It can't be helped."。主語が It に変わるだけで「(状況は)仕方ない」という諦め・受容の意味になります。I が主語なら「私が抗えない」、It が主語なら「状況がどうにもならない」。この主語の違いはテストにも会話にも効きます。
☕ ひとくちコラム ポップスは「抗えない気持ち」だらけ
"can't help" は英語の歌詞の常連です。エルヴィス・プレスリーの名曲のタイトルにも使われた "can't help falling in love" は「恋に落ちずにいられない」という意味で、この表現のニュアンスを一発で体感させてくれます。恋も食欲も笑いも、「理性で止められない気持ち」を歌うのに can't help ほど便利な型はないのです。
そしてこの型は日常でも褒め言葉に化けます。"I couldn't help noticing your bag."(そのバッグ、つい見ちゃいました)は、さりげなく話しかけるときの上品な定番。一方、状況ごと諦めるときの英語はIt is what it is.(しょうがないさ)が担当です。セットで覚えると「仕方ない」の使い分けが完成します。
今日のまとめ
今週、つい何かしちゃったときに1回使ってみてください。言い訳がちょっと可愛くなります。