「今度の土曜、引っ越し手伝ってくれたらピザおごるよ」という友達の提案に、ネイティブは握手する勢いでこう返します。
deal を辞書で引くと「取引」。だから日本人はこのフレーズを「ビジネスの契約の場面でしか使えない硬い言葉」だと思い込みがちです。
実際は真逆で、ネイティブは友達とのゆるい約束にこそ "It's a deal." を連発します。「ピザおごってくれるなら手伝う」「今度は君が皿洗いね」——そんな日常の小さな交渉がまとまった瞬間の「それで決まり!」「その条件、乗った!」。会話にポンと置くだけで、約束がちょっと楽しいイベントに変わる魔法の一言です。
意味と使いどころ
deal はここでは「合意・取り決め」。"It's a deal." で「その条件で合意成立!」という宣言になります。
- 「〜してくれたら〜するよ」という条件付きの提案がまとまったときに
- 提案する側は語尾に "Deal?"(それでどう?)、受ける側は "Deal!"(決まり!)と1語でも成立
- 念押しなら "It's a deal, then."(じゃあ、それで決まりね)
会話で見てみよう
▼ 兄弟で家事の交渉
▼ 同僚とランチの約束
似ている表現との違い
| 表現 | ニュアンス | 場面 |
|---|---|---|
| It's a deal. | その条件で成立!(交換条件に強い) | 条件付きの約束・交渉のまとめ |
| Deal! | 決まり!(最短の合意) | Deal? への即答 |
| You're on. | その勝負、乗った! | 賭け・挑戦・対決の受諾 |
| Sounds good. | いいね(ゆるい同意) | 予定・段取りへの軽いOK |
覚えておきたいのは、It's a deal. は「条件の交換」があるときに輝くということ。単に「映画行こう」「いいね」なら Sounds good. で十分ですが、「おごってくれたら行く」のようにギブ&テイクが成立した瞬間は It's a deal. の出番。賭けや勝負ごとなら You're on. がハマります。
☕ ひとくちコラム deal の原点は「分ける」、だからトランプも deal
deal の語源は古英語の dǣlan、意味は「分ける・分配する」です。トランプでカードを配る人を dealer と呼ぶのはこの「分配する」が生き残った形。そこから「分け前を決める→条件を出し合う→取り決める」と意味が育ち、「取引・合意」の deal が生まれました。カジノのディーラーと商談の deal が同じ単語なのは、偶然ではなく「何かを分け合う」という一点でつながっているんです。
ちなみに、合意した内容が日程や段取りなら "Works for me."(私はそれでOK)という返事も定番。こちらはWorks for me. の記事で解説しています。「条件の合意は It's a deal.、予定のOKは Works for me.」と使い分けられたら、もう交渉上手です。
今日のまとめ
今週、「〜してくれたら〜するよ」の交渉をしたら、締めの一言はぜひ英語で。