「今夜はイタリアンと焼肉、どっちがいい?」と聞かれて、ネイティブはよくこう返します。
It's up to you.
あなたに任せるよ。
決定権を相手に渡す一言。言い方次第で優しくも冷たくもなる。
up なのに「任せる」。方向の up からは意味を推理できません。
It's up to you. は「決めるのはあなた」。相手を尊重する優しい一言にもなれば、「知らない、勝手にして」という丸投げにもなる、温度差の激しいフレーズです。
意味と使いどころ
It's up to you. は選択・決定を相手に委ねる表現です。up to には「〜の責任範囲にある」という意味があります。
- 店・日時・やり方などの選択を相手に任せるとき
- 自分はどちらでもよく、相手の希望を優先したいとき
- It's up to you. + 具体案 で丸投げ感を消せる
💡 up to は「〜の手の内に」
up to には「〜が担当する範囲」という意味があり、It's up to me to decide.(決めるのは私の役目)のようにも使います。つまり It's up to you. は「その球はあなたの手の内にある」ということ。The ball is in your court. と発想はほぼ同じです。
会話で見てみよう
▼ 夕食の店を決める場面
Italian or Korean BBQ tonight?
今夜イタリアンと焼肉、どっちにする?
It's up to you. I had Italian yesterday, though.
任せるよ。ただ昨日イタリアンだったけどね。
ヒントを一言足すと、丸投げではなく気づかいになる。
▼ 仕事の進め方を相談されて
Should we go with plan A or plan B?
A案とB案、どっちで進めます?
It's up to you — you know the client best.
任せます。クライアントをいちばん理解してるのはあなただから。
似ている表現との違い
| 表現 | ニュアンス | 場面 |
|---|---|---|
| It's up to you. | あなたが決めて(決定権を渡す) | 選択を委ねる場面全般 |
| Your call. | 君の判断で(短くカジュアル) | 友達・気心の知れた同僚 |
| Whatever you want. | 何でもいいよ(投げやりに響くことも) | 本当にこだわりがないとき |
| I'm easy. | どっちでもいいよ(気楽) | 予定調整・店選び |
Whatever you want. は言い方次第で「もうどうでもいい」に聞こえます。ケンカ中の「勝手にすれば」と同じ響きになるので、迷ったら It's up to you. か I'm easy. が安全です。
⚠️ 1つだけ注意
何を聞かれても It's up to you. を繰り返すと、「この人は何も考えていない」という印象になります。特に仕事では判断の放棄と受け取られることも。任せる理由(あなたのほうが詳しいから等)を一言添えるだけで印象が変わります。
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☕ ひとくちコラム 「どっちでもいい」が難しい言語
日本語の「どっちでもいいよ」は、実は高度な気づかいの言葉です。ところが英語に直訳して I don't care. と言うと「興味がない、どうでもいい」という冷たい意味になってしまいます。ここは多くの学習者が踏む地雷です。
正解は Either works for me.(どっちでもいける)や I'm easy.(こだわらないよ)。「気にしない」ではなく「どちらでも満足できる」と伝えるのが英語のマナーです。似た落とし穴は和製英語ランキングでもたくさん紹介しています。
今日のまとめ
📌 3秒でおさらい
決定を委ねるなら It's up to you.(あなたに任せる)。ただしヒントを一言足すと丸投げに聞こえません。
「どっちでもいい」は I don't care. ではなく Either works for me. で。
「どっちでもいい」は I don't care. ではなく Either works for me. で。