レストランで食事が終わり、テーブルに伝票が届きました。友達が伝票をちらっと見て、こう言います。

Let's split it.
割り勘にしよう
会計の定番。it は the bill / the check(伝票)のこと。

「割り勘」を英語で言おうとした日本人の多くは、学校で習った "Let's go Dutch." を思い浮かべます。ところが実際のネイティブの口から出てくるのは、圧倒的に split。「裂く・分割する」という意味のあの split です。伝票を人数分にパキッと割るイメージで、"Let's split it." ——これが現代の「割り勘にしよう」です。

意味と使いどころ

split は「分ける・分割する」。会計の場面で "Let's split it." と言えば、合計金額をみんなで等分して払おうという提案になります。

💡 split のイメージ split は「1つのものをパキッと縦に裂く」単語。薪を割るのも split、バナナを縦に裂いたデザートが banana split、意見が割れるのも opinions are split です。伝票という1枚の紙を人数分にスパッと裂く——その絵が浮かべば "split the bill" はもう忘れません。

会話で見てみよう

▼ 食事のあと、伝票を前に

Wanna just split it? It's easier.
もう割り勘でよくない?そのほうが楽だし。
Sure. So that's twenty bucks each.
いいよ。じゃあ1人20ドルね。
each(1人あたり)は割り勘の相棒ワード。

▼ 同僚への送別プレゼントを相談中

The gift is 60 dollars. Let's split it three ways.
プレゼントは60ドルだから、3人で割ろう。
Works for me. I'll pay you back tomorrow.
それでOK。明日払うね。

似ている表現との違い

表現ニュアンス場面
Let's split it.合計を等分しよう(現代の定番)友達・同僚との会計全般
Let's go halves.半分こしよう(2人前提)2人で1つのものを買うとき
Separate checks, please.会計を別々にしてください店員に「自分の分は自分で」を頼む
It's on me.ここは私のおごり割り勘にしない宣言

注意したいのは split と separate checks は別物ということ。split は「合計÷人数」の等分、separate checks は「自分が注文した分だけ払う」方式です。自分だけ安いサラダだった日に "Let's split it." と言われたら、ちょっと損をします(笑)。そんなときは "Can we get separate checks?" と店員さんにお願いしましょう。

⚠️ 1つだけ注意 教科書に載っている "Let's go Dutch." は、通じることは通じますが、今のネイティブはほとんど使いません。少し古風に響くうえ、「オランダ人=ケチ」という昔の偏見に由来する表現なので、あえて選ぶ理由がないのです。迷ったら split 一択でいきましょう。
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☕ ひとくちコラム go Dutch はなぜ「オランダ」なのか

「割り勘する」を意味する古い表現 "go Dutch" の Dutch は、17世紀の英蘭戦争までさかのぼると言われます。海の覇権を争ったライバルのオランダ人を、イギリス人が皮肉る言い回しが英語にいくつも生まれ、"Dutch courage"(酒の力を借りた勇気)、"Dutch uncle"(説教くさい人)などと並んで、「各自で払う=気前が良くない」イメージの "Dutch treat" や "go Dutch" が定着した、という説が有力です。

つまり go Dutch は、生まれからしてちょっと意地悪な表現。現代のネイティブが中立な split を選ぶのは自然な流れなんです。ちなみに割り勘の逆、「ここは私が払うよ」とスマートに言いたい日はIt's on me. の記事をどうぞ。会計まわりの英語はこの2本でほぼ完成です。

今日のまとめ

📌 3秒でおさらい 割り勘は "Let's split it."。人数指定は "split it three ways"、別々会計は "separate checks"。go Dutch は思い出の中へ。
今週、誰かと食事をしたら伝票を指さして使ってみてください。一瞬で「英語できる人」の顔になれます。
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