レストランで食事が終わり、テーブルに伝票が届きました。友達が伝票をちらっと見て、こう言います。
「割り勘」を英語で言おうとした日本人の多くは、学校で習った "Let's go Dutch." を思い浮かべます。ところが実際のネイティブの口から出てくるのは、圧倒的に split。「裂く・分割する」という意味のあの split です。伝票を人数分にパキッと割るイメージで、"Let's split it." ——これが現代の「割り勘にしよう」です。
意味と使いどころ
split は「分ける・分割する」。会計の場面で "Let's split it." と言えば、合計金額をみんなで等分して払おうという提案になります。
- 食事・タクシー代・プレゼント代など、合計を等分したいときに
- "Let's split the bill."(伝票を割ろう)とフルで言ってもOK
- "Split it three ways."(3等分ね)のように 〜 ways で人数を指定できる
会話で見てみよう
▼ 食事のあと、伝票を前に
▼ 同僚への送別プレゼントを相談中
似ている表現との違い
| 表現 | ニュアンス | 場面 |
|---|---|---|
| Let's split it. | 合計を等分しよう(現代の定番) | 友達・同僚との会計全般 |
| Let's go halves. | 半分こしよう(2人前提) | 2人で1つのものを買うとき |
| Separate checks, please. | 会計を別々にしてください | 店員に「自分の分は自分で」を頼む |
| It's on me. | ここは私のおごり | 割り勘にしない宣言 |
注意したいのは split と separate checks は別物ということ。split は「合計÷人数」の等分、separate checks は「自分が注文した分だけ払う」方式です。自分だけ安いサラダだった日に "Let's split it." と言われたら、ちょっと損をします(笑)。そんなときは "Can we get separate checks?" と店員さんにお願いしましょう。
☕ ひとくちコラム go Dutch はなぜ「オランダ」なのか
「割り勘する」を意味する古い表現 "go Dutch" の Dutch は、17世紀の英蘭戦争までさかのぼると言われます。海の覇権を争ったライバルのオランダ人を、イギリス人が皮肉る言い回しが英語にいくつも生まれ、"Dutch courage"(酒の力を借りた勇気)、"Dutch uncle"(説教くさい人)などと並んで、「各自で払う=気前が良くない」イメージの "Dutch treat" や "go Dutch" が定着した、という説が有力です。
つまり go Dutch は、生まれからしてちょっと意地悪な表現。現代のネイティブが中立な split を選ぶのは自然な流れなんです。ちなみに割り勘の逆、「ここは私が払うよ」とスマートに言いたい日はIt's on me. の記事をどうぞ。会計まわりの英語はこの2本でほぼ完成です。
今日のまとめ
今週、誰かと食事をしたら伝票を指さして使ってみてください。一瞬で「英語できる人」の顔になれます。