デスクで作業していると、同僚がふらっと近づいてきて、ちょっと気まずそうにこう切り出しました。
run という単語につられて、多くの人はこう考えます。「え、あなたのそばを走ってもいい…?」
もちろん違います。ここでの run は「見せる・伝える」というイメージ。この "Can I run something by you?" は「ちょっと考えを聞いてもらえる?」という相談の切り出し文句で、オフィスでも友達同士でも一日に何度も飛び交う超定番フレーズ。それなのに、教科書では "Can I ask your opinion?" しか習いません。今日はこれを、会話例と一緒に「使える状態」までもっていきます。
意味と使いどころ
"Can I run something by you?" は、自分の考え・計画・案を相手に見せて、意見や確認をもらいたいときの前置きです。「これでいいか、ちょっと見てほしい」を一言で伝えられます。
- 企画や文章を誰かにチェックしてほしいときに
- 決めかねている選択を相談したいときに
- "Let me run it by my manager first."(まず上司に確認させて)のように誰かの承認を取る場面でも使える
会話で見てみよう
▼ 会議の前、同僚に企画書を見せたいとき
▼ 友達に転職の相談をしたいとき
似ている表現との違い
| 表現 | ニュアンス | 場面 |
|---|---|---|
| Can I run something by you? | ちょっと見て・意見ちょうだい(フランク) | 案や考えを確認してほしいとき全般 |
| Can I get your opinion? | 意見をください(直球・ややフォーマル) | 改まった相談ごと |
| Can I pick your brain? | 知恵を貸して(相手の専門知識が欲しい) | 詳しい人への相談の前置き |
| Mind if I bounce an idea off you? | アイデアの壁打ちに付き合って | ブレストの相手を頼むとき |
使い分けの軸は「まだ固まっていない案への反応が欲しいか、相手の知識が欲しいか」。run something by you と bounce an idea off you は自分の案への反応が欲しいとき、pick your brain は相手の頭の中身を借りたいとき、と覚えると迷いません。
☕ ひとくちコラム run だらけの英語
英語の run は、実は「走る」よりも比喩的な意味で使われる場面のほうが多いくらいです。"run a fever"(熱がある)、"run late"(遅れている)、そして"run in the family"(家系の遺伝だ)もその一例。共通しているのは「あるものが自然に流れ続けている・進行している」というイメージで、そこから「案を相手のもとへ流す」→ run something by you が生まれたと考えると腹落ちします。
日本語の「走る」は基本的に足を使う動作にしか使いませんが、英語の run はもっと自由。「run=移動・進行のイメージ」で覚え直すだけで、run 系の熟語がまとめて理解しやすくなります。まとめて体に染み込ませるには瞬間英作文トレーニングが効果的です。
今日のまとめ
今週、誰かに何か確認してほしいことがあったら、この一言で切り出してみてください。