「ごめん、支度にあと5分かかる!」と焦る友達に、ネイティブは穏やかにこう返します。
直訳すると「あなたの時間を取れ」。命令形なので、初見の日本人には「時間を確保しろ!」という指示に見えてしまいます。
実際は正反対で、これは相手の焦りをほどいてあげる優しい一言。「必要なだけ時間を使っていいよ、私は待てるから」という意味です。レジで小銭を探すお年寄りに、道に迷った観光客に、決断に迷う友達に——ネイティブは1日に何度もこのフレーズで空気を柔らかくしています。
意味と使いどころ
take one's time は「自分のペースで時間をかける」。命令形の "Take your time." は、「急がなくていいよ、ゆっくりどうぞ」と相手にプレッシャーを掛けない合図になります。
- 相手が「待たせてごめん」と焦っている場面で
- メニュー選び・試着・決断など、じっくり考えてほしい場面で
- "Take your time. There's no rush."(ゆっくりで大丈夫、急ぎじゃないから)と重ねると気遣いが倍増
会話で見てみよう
▼ カフェで、注文を決めきれない友達に
▼ 職場で、資料の確認を頼まれて
似ている表現との違い
| 表現 | ニュアンス | 場面 |
|---|---|---|
| Take your time. | ゆっくりでいいよ(相手の行動へ) | 焦る相手・迷う相手への気遣い |
| No rush. | 急ぎじゃないよ(用件の性質) | 依頼やお願いに添える |
| Whenever you're ready. | 準備できたらでいいよ | 相手のタイミングを尊重して待つ |
| There's no hurry. | 慌てる必要はないよ | 状況全体を落ち着かせる |
どれも「急がなくていい」仲間ですが、Take your time. は相手そのものに、No rush. は用件に掛かるのが違いです。実際のネイティブは "Take your time, no rush."と2つ重ねて言うことも多く、これはもう「気遣いのフルコース」。待つ側の余裕を見せることで、相手の罪悪感まで消してあげられます。
☕ ひとくちコラム take time と take your time は別物
そっくりさんに注意。"It takes time." は「時間がかかる」という客観的な話(語学の上達には時間がかかる、など)。一方 "take your time" は「自分のペースでどうぞ」という気遣い。同じ take + time でも、your が入るだけで「かかる」から「かけていい」へと意味がジャンプします。冠詞や所有格で意味が変わる英語らしい現象で、"take a moment"(ちょっと時間を取る)、"make time"(時間を作る)なども親戚です。
ちなみに「ゆっくりでいいよ」と言われた側が使える返しが "Let me sleep on it."(一晩考えさせて)。じっくり考える時間をもらうフレーズはLet me sleep on it. の記事で解説しています。急かさない側と急がない側、両方の英語をそろえておきましょう。
今日のまとめ
今週、「ごめん、ちょっと待って!」と言われたら、笑顔でこの一言を返してみてください。