「週末、引っ越しの手伝いに来てくれない?」と頼まれたネイティブの友人が、ニヤッと笑ってこう返します。
直訳しようとした日本人は混乱します。「その中に…私のために…何が入ってる?箱の話?」
箱ではありません。it は「その話・その計画」のこと。つまり「その話の中に、私の取り分は入ってるの?」=「私にどんな得があるの?」という質問です。友達同士の軽口から、ビジネスの真剣な交渉まで、驚くほど広い場面で使われる頻出フレーズ。今日はその使いこなし方を、トーンの調整まで含めて解説します。
意味と使いどころ
"What's in it for me?" は、頼みごとや勧誘に対して「自分側のメリット」を確認するフレーズです。言い方ひとつで、冗談にも本気の交渉にもなります。
- 友達の頼みごとに冗談っぽく「見返りは?」と返す
- 仕事の勧誘・依頼で参加メリットを真面目に確認する
- 否定形 "There's nothing in it for me."(自分には何の得もない)も頻出
会話で見てみよう
▼ 引っ越しの手伝いをお願いする
▼ 職場で、新プロジェクトに勧誘されて
似ている表現との違い
| 表現 | ニュアンス | 場面 |
|---|---|---|
| What's in it for me? | 私の得は?(冗談〜真面目な交渉まで) | 頼まれごと・勧誘への返し |
| What do I get out of it? | それで私は何がもらえるの? | ほぼ同義。やや直接的な響き |
| Why should I? | なんで私が?(拒否寄り・強め) | そもそも納得していないとき |
| What's the catch? | 裏があるんじゃないの? | 話がうますぎて警戒するとき |
整理すると、What's in it for me? は「自分の得」を、What's the catch? は「隠れた損」を確認する表現。話を持ちかけられたときの反応セットとして、2つ並べて覚えておくと会話の切り返しに困りません。
☕ ひとくちコラム マーケティング業界の合言葉 "WIIFM"
実はこのフレーズ、英語圏のマーケティングやプレゼン研修では頭文字を取って WIIFM(ウィッフム)と呼ばれる専門用語になっています。「聞き手は常に What's In It For Me? と自問しながら聞いている。だから資料も広告も、真っ先にその問いに答えろ」という鉄則です。一つの日常フレーズが、そのままビジネス理論の名前になった珍しい例です。
そしてこれは英語学習にもそのまま効きます。フレーズを覚えるとき「これは自分のどんな場面で使えるか?」という自分向けの WIIFM に答えてから覚えると、定着率がまるで違います。学習の続け方・仕組み化のコツは独学勉強法の記事にまとめているので、あわせてどうぞ。
今日のまとめ
今週、友達に何か頼まれたら1回使ってみてください。返ってくる「ピザおごるから!」まで含めて英会話です。