寝坊した日に限って電車が止まり、駆け込んだ会議でPCがフリーズ。その話を聞いたネイティブの同僚が、苦笑いしながらこう言います。
直訳は「雨が降るときは、土砂降りになる」。「え、外って雨降ってたっけ?」と窓の外を見てしまったら、このフレーズの罠にきれいにはまっています。
天気の話ではありません。「(悪いことは)起こるときには、一気にまとめて起こる」という人生の法則を、雨にたとえた決まり文句です。ぽつぽつ降り出したと思ったら一瞬でどしゃ降り——トラブルの連鎖って、たしかにそんな感じですよね。ネイティブは不運が続いた日の締めくくりに、ため息とセットでこの一言をつぶやきます。
意味と使いどころ
"When it rains, it pours." は、不運やトラブルが立て続けに起こったときに「重なるときは重なるものだ」と嘆くことわざ的フレーズです。深刻に糾弾するのではなく、苦笑い混じりに受け流すトーンで使われます。
- 故障・遅刻・急な仕事などトラブルが連鎖した日のぼやきに
- 不運続きの人に「重なるときはそういうもんだよ」と共感を示すときに
- 実は忙しさやチャンスが一気に来たとき(依頼が殺到など)にも使える
会話で見てみよう
▼ 車も洗濯機も壊れた週の会話
▼ 依頼が一気に殺到したフリーランス
似ている表現との違い
| 表現 | ニュアンス | 場面 |
|---|---|---|
| When it rains, it pours. | 重なるときは一気に重なる | 不運・多忙の連鎖へのため息 |
| It's one thing after another. | 次から次へと…(うんざり) | トラブルが連続で発生中のとき |
| Just my luck. | ついてないなあ(自虐) | 単発の不運に当たったとき |
| It could be worse. | まだマシな方だよ | 不運を前向きに相対化するとき |
"It's one thing after another." が渦中のうんざり感を表すのに対し、"When it rains, it pours." は一歩引いて「世の中そういうものだ」と達観する言い方。嘆きながらもどこかユーモアがあるので、深刻になりすぎずに不運を共有できるのが強みです。
☕ ひとくちコラム このフレーズを世界に広めたのは「塩の会社」
実はこのフレーズ、アメリカの食卓塩ブランド Morton Salt(モートンソルト)の広告コピーとして有名になった歴史があります。1910年代、同社は「湿気の多い日でもサラサラ出てくる塩」を開発。そこで「雨の日(湿気)でも、うちの塩は pour(サラサラ注げる)」という意味を掛けて "When it rains, it pours." と宣伝したのです。傘をさした女の子が塩をこぼしながら歩くロゴは、100年以上たった今もスーパーに並んでいます。
つまりこの決まり文句、ネガティブなことわざを逆手に取ったポジティブなダジャレ広告として大成功した珍しい例。英語の広告は、こうした慣用句のもじりの宝庫です。不運が重なった日に自分を励ます英語ならIt could be worse. の記事もどうぞ。「土砂降りでも、まだマシ」の精神で乗り切りましょう。
今日のまとめ
今週、「なんで今日に限って全部来るの!?」という日があったら、ため息の代わりにこの一言をどうぞ。