リスニングが伸びない人のほとんどは、原因を特定しないまま量をこなしています。聞き取れない原因は3つしかありません。そして3つとも、対策がまったく違います。
🔍原因は3つに分けられる
聞き取れなかった音声のスクリプトを見てください。そのとき起きることは、必ず次のどれかです。
| スクリプトを見たとき | 原因 | やるべきこと |
|---|---|---|
| 意味が分からない | ①知らない | 語彙・文法。リスニングの練習ではない |
| 読めば分かる。でも聞こえなかった | ②音が違う | シャドーイング・音読 |
| 1文ずつなら分かる。続くと落ちる | ③速すぎる | 処理速度。音読と多聴 |
🔍②「音が違う」の正体
読めば分かるのに聞こえない。これがリスニング特有の問題で、原因は自分が思っている音と、実際の音が違うことです。
日本人がつまずく4つの現象
check it out → チェッキラウト脱落
good morning → グッモーニン(dが消える)同化
did you → ディジュ弱形
can → クン(強く読まれない)とくに弱形が厄介です。can / of / to / and / for のような機能語は、文の中ではほとんど発音されないレベルまで弱くなります。「知っているはずの単語が消えている」と感じるのは、これが理由です。
リスニングが伸びない人の多くは、原因を特定しないまま量をこなしています。 知らない語が多いのか、音の形を知らないのか、処理が追いつかないのか。 語彙が原因かどうかは、語彙力テストで3分で判定できます。
無料で語彙力を測る(登録不要)🔍③「速すぎる」は速度の問題ではない
「もっとゆっくり話してくれれば分かるのに」——これは正確には処理が追いついていない状態です。
英語を聞いて、頭の中で日本語に訳してから理解している場合、訳している間に次の文が来ます。だから速度を落としても根本は解決しません。必要なのは英語の語順のまま理解する回路です。
- 音読 — 声に出すと戻り読みが物理的にできなくなります。前から順に理解する回路が強制的に作られます
- 0.9〜1.0倍で聞く — 速度を落としすぎると、実際の音の連結が消えて練習になりません
- 同じ音源を繰り返す — 新しい音源を増やすより、1つを5回聞くほうが処理速度は上がります
🔍切り分けの手順(15分でできる)
- 1〜2分の音声を用意する(教材でもニュースでもよい)
- スクリプトを見ずに2回聞く
- 聞き取れなかった箇所に印を付ける
- スクリプトを見る。印の箇所が上の表のどれに当たるか判定する
- 多かった原因の対策を、次の1か月の中心に据える
🔍原因別・最初の1か月にやること
切り分けが終わったら、あとは対策を1つに絞るだけです。3つ同時にやろうとすると、どれも中途半端になります。
原因①「知らない」が多かった場合
リスニングの教材はいったん置いてください。この段階でリスニング練習を増やしても、知らない単語を確認する作業にしかなりません。
- 音声つきの単語帳を1冊。必ず音とセットで覚える
- 1日20分×1か月で、目に見えて変わります
- やり方は英単語の覚え方へ
原因②「音が違う」が多かった場合
ここが本命です。シャドーイングを1日15分、同じ素材で1週間ずつ。
並行して、日本人がつまずく音を先に知っておくと効率が上がります。発音矯正・7つの音で、自分がどの音を作れていないかを確認してください。作れない音は、聞き分けもできません。
原因③「速すぎる」が多かった場合
音読が最も効きます。すでに意味が分かっている文章を、1日10分、声に出して読む。
速度を上げようとしなくて構いません。戻らずに前から読む——これだけを意識してください。戻り読みの癖が消えると、処理速度は自動的に上がります。
❓よくある質問
Q. 英語が聞き取れないのは耳が悪いからですか?
A. 違います。聴力の問題ではなく、知らない・音の形を知らない・処理が追いつかないのどれかです。スクリプトを見れば、自分がどれに当たるかはすぐ判定できます。
Q. 聞き流しでリスニングは伸びますか?
A. 条件付きです。すでに意味が分かる音声なら、処理速度の維持に効果があります。一方、意味が取れない音声を流し続けても伸びません。詳しくは聞き流しが効く条件をご覧ください。
Q. 字幕を見ながら見るのは意味がありますか?
A. あります。ただし順番が大事で、字幕なし → 英語字幕 → 字幕なしの順に見ると、「聞こえなかった箇所」を特定できます。最初から日本語字幕で見ると、リスニングの練習にはほぼなりません。