英文要約は2024年度から加わった新形式で、対象は準2級プラス・2級・準1級・1級です。内容を正しく理解していても、原文の文をそのまま写した瞬間に大きく減点される。ここが従来の英作文とまったく違うところです。逆に言えば、言い換えの技術さえ身につければ、最も安定して点が取れる問題でもあります。

📄要約問題で本当に測られているもの

まず前提を正しておきます。要約問題で見られているのは「読めたかどうか」ではありません。読めたかを測るなら選択式の読解問題で足りるからです。

本質要約問題が測っているのは「読んだ内容を、自分の英語で再構成できるか」。つまりリーディングとライティングをつなぐ力です。だから原文をそのまま写した答案は、内容が完璧でも語彙点がほぼゼロになります。

採点は他のライティングと同じ内容・構成・語彙・文法の4観点。ただし各観点の中身が要約用に読み替えられます。

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📄手順は4ステップ。書き出す前に3つ終わらせる

いきなり英語で書き始めると、必ず原文を写します。書く前に日本語で処理を終わらせるのが鉄則です。

  1. 段落を数える — 原文が3段落なら、要点も3つ。この時点で要約の骨組みの数が決まります
  2. 各段落を日本語1文にする — メモは日本語でよい。ここで具体例・数字・固有名詞は全部捨てる
  3. 日本語のまま言い換える — 原文の直訳ではなく、自分の言葉で言い直す。この段階を挟むと写しが激減します
  4. 英語にして、接続表現でつなぐ — 最後に英語化。つなぎ言葉は次のテンプレートから選ぶだけです

③を飛ばす人が非常に多い。原文を見ながら英語を書くと、必ず引きずられます。日本語メモを作ったら、いったん原文から目を離して書くのがコツです。

📄そのまま使えるテンプレート:原文は3つの型のどれか

英検の要約課題に出る英文は、ほぼ次の3つの型に収まります。型を見抜いた瞬間に、使う接続表現が決まります。

型① 対比型(メリットとデメリット)

最も出やすい型です。「Aには良い面がある/一方で問題もある/だから〜」の流れ。

[Topic] has become increasingly common.
On the one hand, it ____.
On the other hand, some people point out that ____.
Therefore, ____.

型② 因果型(原因と結果)

「ある変化が起きている/その理由は〜/その結果〜」の流れ。

Recently, ____ has been increasing.
This is mainly because ____.
As a result, ____.

型③ 問題解決型

「問題がある/原因はこれ/こうすべき」の流れ。準1級以上で増えます。

____ is becoming a serious problem.
Experts say that this is caused by ____.
To deal with this, ____.
使い方下線部に、手順②で作った日本語1文を英語にして入れるだけです。接続表現を自分で考える必要がなくなるぶん、頭のリソースを言い換えに全部回せます。

📄言い換え(パラフレーズ)の5つの技術

ここが要約の本丸です。使えるのは次の5つだけ。多く見えますが、実際は②と⑤の出番が圧倒的に多いので、まずその2つから練習してください。

① 同義語に置き換える

最も基本。ただしこれ「だけ」では弱いので、他と組み合わせます。

② 品詞を変える(いちばん効く)

名詞を動詞に、動詞を名詞に。文の形ごと変わるので、写しに見えません

原文: The increase in online shopping has changed retail.
言い換え: As more people shop online, retail has changed.

③ 能動と受動を入れ替える

原文: Many companies have adopted remote work.
言い換え: Remote work has been adopted by many companies.

④ まとめ語でくくる(上位語に置き換える)

具体例を捨てるときに使います。要約で最も価値の高い技術です。

原文: ...such as smartphones, tablets, and laptops.
言い換え: ...digital devices

ほかにも doctors and nurses → medical staff、rice, wheat and corn → staple crops のように、並んでいるものを一語でくくると語数も節約できます。

⑤ 2文を1文にまとめる

接続詞・関係代名詞・分詞で圧縮します。文法点の「バリエーション」も同時に稼げるので一石二鳥です。

原文: Online classes are convenient. However, students often lose focus.
言い換え: Although online classes are convenient, students often lose focus.

📄減点される7つのパターン

  1. 原文を5語以上そのまま写す — 語彙点が一気に落ちます。最頻出の失点
  2. 自分の意見を書く — I think ... は要約に不要。内容点の減点対象です
  3. 具体例を書き込む — 語数を食うだけ。上位語でくくって捨てる
  4. 段落を1つ落とす — 原文が3段落なら要点は3つ。数を先に確認する
  5. 箇条書きのように並べる — 接続表現がないと構成点が伸びません
  6. 指定語数を大きく外す — 多すぎても少なすぎても減点
  7. 原文にない情報を足す — 一般常識の補足も不要です
覚え方要約でやることは「減らす」と「言い換える」の2つだけ。足す作業は1つもありません。迷ったら「これは足しているか?」と自問してください。

📄練習法:1日10分、教材は何でもいい

要約の力は原文の量ではなく言い換えの回数で伸びます。だから過去問を解く必要すらありません。

  1. 英文を1段落だけ用意する(ニュース記事でも教科書でもOK)
  2. 日本語で1文にまとめる
  3. 原文を隠してから英語にする
  4. 原文と見比べて、同じ語を何回使ってしまったかを数える

④の「同じ語を数える」がこの練習の肝です。回数が減っていくのが目に見えるので、続きます。

そして最大の問題は、自分の要約が何点なのか自分では判断できないこと。要点を落としていないか、写しになっていないかは、第三者の目がないと気づけません。対策は、採点する前に自分で正解を作っておくことです。要約を書く前に原文の要点を3〜4個、日本語で箇条書きにしておき、書き終えてからその箇条書きと自分の英文を突き合わせます。拾えていない要点と、逆に入れすぎた具体例が、これで一目で分かります。

よくある質問

Q. 英検の要約問題はどの級で出ますか?

A. 準2級プラス・2級・準1級・1級で出題されます。3級と準2級には要約は出ず、代わりにEメール問題が出ます。準2級プラスは新設級ですが、ライティングは2級と同じく要約+意見論述の2題構成です。

Q. 原文の単語をそのまま使ってはいけないのですか?

A. 固有名詞や言い換えのきかない専門用語はそのままで構いません。問題なのは5語以上が連続でそのままになっているケースです。文の形(品詞や能動受動)を変えるだけでも写しではなくなるので、まず②の品詞変換から試してください。

Q. 自分の要約が何点か知る方法はありますか?

A. 点数そのものより、2つの数を数えるほうが速く上達します。①要点の回収率——要約を書く前に原文の要点を3〜4個メモしておき、自分の英文がいくつ拾えているかを数える。②連続一致語数——原文と自分の要約を並べ、5語以上そのまま続いている箇所に印を付ける。ここが写しと判定される部分です。この2つを毎回記録すると、回収率が上がり一致語数が下がっていくのが目に見えます。

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