📖くわしく解説します
職場で "Per my last email," という書き出しのメールを受け取ったことがある人は多いはずです。文字通りの意味は「前回のメールでお伝えした通り」ですが、実際の英語圏のオフィスでは、この一文を目にした瞬間に身構える人が少なくありません。用件そのものより先に、送り手のいらだちが伝わってしまう表現として知られているからです。
理由の核心は、「これ、前のメールで言いましたよね?」という暗黙の当てこすりにあります。表向きは丁寧な業務連絡の体裁を保ちながら、裏では相手が前回のメールを読んでいない、あるいは対応を怠っているとほのめかしているわけです。英語圏の職場文化を扱った調査でも、この表現は「もっとも受動的攻撃的な決まり文句」の代表格として繰り返し挙げられており、ある調査ではアメリカの労働者の8割以上が同僚からこうした当てこすり混じりのメールを受け取った経験があると回答しています。
per という単語自体も、この表現の硬さに拍車をかけています。per はラテン語で「〜によって」「〜を通じて」を意味する前置詞で、英語のビジネス文書では per your request(ご依頼の通り)のように契約書や法律文書に近い、よそよそしい響きを持つ語として使われます。日常会話でこの言い回しをそのまま口に出す人はまずいません。話し言葉ではなく書き言葉だけの、相手と距離を置くための表現だからこそ、受け取った側は冷たさを感じ取ってしまうのです。
実際、この言い回しを多用すること自体が「対立を素直に扱えない人」という印象につながりかねない、と指摘する専門家もいます。角を立てずに催促したいときは、前のメールへの言及を省いて "Just wanted to follow up on this — let me know if you have any questions."(念のためのフォローアップです。ご不明点があればお知らせください)のように用件だけを穏やかに繰り返すのが今の実務メールの主流です。便利な決まり文句のようでいて、使うたびに相手との距離を広げてしまいかねない、扱いに注意が要る一言です。
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❓まとめ
Q. ビジネスメールの「Per my last email,」、これは実は「前にも言いましたよね?」という叱責のサインだった
A. 文字通りには「前回のメールの通り」ですが、実際には「前に伝えたはずですが」という当てこすりとして受け取られやすい、ネイティブの間でも要注意とされる言い回しです。