📖くわしく解説します
会議の終わりに "Let's touch base next week."(来週また連絡を取り合いましょう)と言われて、結局いつ・どんな形で連絡が来るのか分からず困った経験はないでしょうか。touch base は「近況を報告し合う」「軽く連絡を取る」という意味の定番フレーズですが、その実態は具体的な日時や方法を一切約束しない、あいまいな締めくくりの言葉であることが多いのです。
この表現の由来としては、野球で走者が各塁(base)に触れる動作から来たという説が有力です。野球では走者が塁に触れていないとアウトになる場面があるため、そこから「要所要所で確実に連絡を取っておく」という比喩に転じた、という流れが辞書などでもよく紹介されています。ただし、この用法がいつごろビジネス現場に定着したかまではっきりした記録は少なく、20世紀半ば以降にアメリカの企業社会で広まったとされています。
問題は、この便利さゆえに中身のない先延ばし表現として乱用されている点です。あるアンケート調査では、社員の4人に1人が touch base を「もっとも聞き飽きたビジネス用語」に挙げたという結果も報告されています。特に "Let's touch base offline."(オフラインで改めて話しましょう)は、その場をやり過ごすための決まり文句として使われがちで、実際には二度と話が持ち出されないことも珍しくない、と揶揄されるほどです。
この言い回しをされたら、"Sure — how about Tuesday afternoon?"(いいですね、火曜の午後はどうですか)のように自分から具体的な曜日や方法を提案し返すのが実用的な対処法です。曖昧なまま流されてしまうと、本当に連絡が来ないまま話が立ち消えになることも多いので、touch base と言われたときこそ、こちらから話を前に進める一言を添えるとよいでしょう。
🔊この話に出てきた英語を使ってみる
音声ボタンを押すと、ネイティブ発音で読み上げます。
❓まとめ
Q. 「Let's touch base」と言われたら、結局いつ会えばいいのか?
A. 実は日時をあえて決めない、ふんわりした社交辞令として使われることが多く、ビジネス英語で最も嫌われる決まり文句の一つにも数えられています。