答え気のせいではありません。Binghamton大学の実験で、句点で終わる一言返信は、句点なしの同じ返信より「本気度が低い」と受け取られることが確かめられています。英語のテキストメッセージでは、句点そのものが素っ気なさのサインとして働くのです。

📖くわしく解説します

2015年にBinghamton大学のCelia Klin准教授らが発表した研究では、126人の学生に一連のテキストのやり取りを読んでもらう実験を行いました。「チケット余ってるんだけど、来る?」のような誘いに対して、Okay・Sure・Yeah・Yupといった一言の肯定的な返信を用意し、句点を付けたバージョンと付けないバージョンを比較しました。結果、句点で終わる返信のほうが一貫して「本気度が低い(less sincere)」と評価されたのです。

興味深いのは、まったく同じ文面を手書きのメモとして見せた場合には、この差が現れなかった点です。つまり句点が素っ気なさを伝えるのは、紙の文章の話ではなくテキストメッセージという媒体特有の現象だということになります。研究チームは、テキストには声のトーンや表情のような感情の手がかりが無いため、書き手が特に意図せず加えた句点のような小さな要素が、その代わりの手がかりとして読み手に解釈されてしまうと説明しています。句点は「もうこれ以上言うことはない」という締めくくりの合図に読め、冷たい・怒っているという印象につながりやすいのです。

この現象がさらに極端な形で表れるのが、返信をたった一文字に削った「K」です。International Journal of Mobile Communications誌に掲載された調査では、「K」は多くの回答者から「最も嫌われるテキスト返信」の一つに挙げられました。子音一字にまで削られた返信は「手間をかける気がない」という印象を与え、既読無視よりも突き放された感覚を与えることさえあるといいます。一方で「kk」と一文字足すだけで印象は柔らぎ、「ok」「okay」は素っ気なさこそ残るものの、中立からやや事務的な返信として受け取られやすいそうです。

日本語の句読点にはこの感覚がほとんど無いため、英語学習者が丁寧なつもりで「Thanks.」と句点まできっちり打って送り、なぜか相手によそよそしい返事をされてしまう、ということが起こり得ます。親しい相手へのカジュアルなテキストでは、句点を省いたり「!」を添えたりするほうが、むしろ温かみが伝わりやすくなります。文法として正しいかどうかより、テキストという媒体では余白や崩し方そのものが感情のサインになる、という好例です。

スポンサーリンク

🔊この話に出てきた英語を使ってみる

音声ボタンを押すと、ネイティブ発音で読み上げます。

Ending a text with a period can make it sound less friendly, even if you didn't mean it that way.
テキストの返信を句点で締めくくると、そのつもりがなくても素っ気なく聞こえることがある。

🏷 texting punctuation period K passive-aggressive Binghamton native

❓まとめ

Q. 友達からのテキストに「Okay.」と句点付きで返ってきただけで、なぜか怒っているように感じたことはありませんか?

A. 気のせいではありません。Binghamton大学の実験で、句点で終わる一言返信は、句点なしの同じ返信より「本気度が低い」と受け取られることが確かめられています。英語のテキストメッセージでは、句点そのものが素っ気なさのサインとして働くのです。

💬ネイティブの本音と日本人の誤解 の他のネタ

💡 英語の雑学・豆知識をすべて見る