答え英語圏ではこの手の言い方をnon-apology(非謝罪)と呼びます。"I'm sorry"で謝罪の形だけ作りながら、問題の原因を自分の言動ではなく相手の感じ方のほうへすり替えてしまう、よく知られたレトリックです。

📖くわしく解説します

"I'm sorry you feel that way."を直訳すると「あなたがそう感じたことは残念です」。一見謝っているようですが、よく見ると謝罪の対象が「自分が何をしたか」ではなく「相手がどう感じたか」にすり替わっています。英語ではこの構造をnon-apology(非謝罪)、くだけた言い方ではfauxpology(偽りの謝罪)と呼び、Wikipediaの解説でも「表面上は謝罪の形を取りながら、実際には後悔や責任を示さない、あるいは相手側に責任を押しつける発言」と定義されています。問題の所在を自分の言動から相手の神経系のほうへ移動させる、いわば責任の転嫁装置です。

この手の言い回しは政治の世界でとくに磨かれてきました。代表例が"Mistakes were made."(過ちがあった)という一文です。だれが過ちを犯したのかを主語ごと消してしまうこの言い方は、ニクソン政権期から広く使われ、レーガン・クリントン・ブッシュ(子)・オバマと、歴代の米政権で繰り返し登場してきました。政治学者ウィリアム・シュナイダーはこの用法を「過去エクソネレイティブ(過去免責)」時制と呼び、コラムニストのウィリアム・サファイアは「誤りを認めながらも、その責任から話者を遠ざける、受動的で言い逃れ的な言い方」と評しています。

同じ系統の表現に、コメディアンのハリー・シェアラーが名付けた"ifpology"(if謝罪)もあります。"I apologize if I offended anyone."(気分を害した方がいたなら謝ります)のように、"if"を挟むことで「実際に問題があったかどうか」自体を保留にしてしまう手口です。"I'm sorry you feel that way"も"ifpology"も、文の後半に相手の反応(feel / if offended)を置くことで、自分の行為そのものへの言及を巧みに避けている点が共通しています。

本物の謝罪とこの手の非謝罪を見分けるコツは単純です。"I'm sorry I said that."のように自分(I)が主語になって自分の行為を認めているかを確認すればよく、主語や責任の所在が相手側(you feel / if anyone)にずれていたら要注意です。日本語の「ご不快な思いをさせてしまったのなら」もよく似た構造を持つ言い回しで、便利なだけに、謝るべき場面では一歩踏み込んだ言い方を選びたいところです。

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I'm sorry you feel that way, but I still believe I made the right call.
あなたがそう感じたのは残念ですが、それでも自分の判断は正しかったと思っています。

🏷 non-apology fauxpology I'm sorry you feel that way mistakes were made 本音 ネイティブ 政治英語

❓まとめ

Q. 「I'm sorry you feel that way.」——謝っているように聞こえるのに、実は何も謝っていない。この言い方のどこが問題なのか?

A. 英語圏ではこの手の言い方をnon-apology(非謝罪)と呼びます。"I'm sorry"で謝罪の形だけ作りながら、問題の原因を自分の言動ではなく相手の感じ方のほうへすり替えてしまう、よく知られたレトリックです。

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