答えthe boondocks(ど田舎)は、タガログ語で「山」を意味する bundok が語源だというのが有力説です。1899年に始まった米比戦争でフィリピンに駐留したアメリカ兵たちがこの単語を覚え、山岳地帯を指す言葉として使い始めたのが、英語に取り込まれた発端とされています。

📖くわしく解説します

アメリカ英語で「都会から遠く離れた辺鄙な場所」を指すとき、out in the boondocks や、略した the boonies という言い方がよく使われます。響きだけ聞くと開拓者ダニエル・ブーン(Boone)の名前が隠れていそうにも思えますが、実はこの単語、もともとの英語の語彙ではありません。ルーツをたどると、太平洋の向こう、フィリピンの言語にまで行き着きます。

1899年から1902年まで続いた米比戦争で、アメリカはスペインから独立を宣言したフィリピンの勢力と交戦し、その後も長く島々を占領しました。この間、多数のアメリカ兵が現地語タガログ語に触れ、bundok(山)という単語を覚えます。言語研究サイト Wordorigins.org によれば、1905年に陸軍将校 W・E・W・マッキンレイが著したタガログ語の文法書にもこの単語の語彙説明が載っており、英語圏にこの語が記録された最初期の足跡の一つとみられています。辞書サイト Etymonline は、英語で「辺境の荒れた土地」を意味する boondocks という語形の初出を1910年代としており、兵士たちが山岳のジャングル地帯を指して使ったこの単語が、やがて「都会から離れた場所」全般を指す意味へと広がっていったとされています。

ただし、この単語がどのような経路でアメリカ本国の一般的な口語表現として定着したのかは、はっきり決着していません。Wordorigins.org は、海兵隊や陸軍の内部でひそかに使われ続けた末にベトナム戦争の時代に広く知られるようになったとしており、別の説では第二次世界大戦の太平洋戦線から帰還した退役軍人たちが広めたともいわれています。NPRは、1956年にサウスカロライナ州の海兵隊新兵訓練所パリス・アイランドで起きた、夜間の沼地行軍訓練中の死亡事故(リボン・クリーク事件)が全国的に報道されたことも、単語が広まる一因になったと紹介しています。短縮形の boonies が定着したのは1950年代とされています。

似た響きを持つ boondoggle(予算や労力を無駄にする計画)は、意外にもこの単語とは起源が異なります。Merriam-Webster によれば、1920年代にボーイスカウトの指導者ロバート・リンクが考案した、ネッカチーフ留めなどに使う編み紐の手工芸品の名称が語源とされ、bundok とは無関係の造語です。かつてこの単語をダニエル・ブーンの名前と結びつける説も語られましたが、1935年にはすでに誤りだと指摘されています。似た音の2つの単語が、まったく別のルートで20世紀前半のアメリカ英語に入ってきたというのも、なかなかの偶然です。

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He grew up way out in the boondocks, miles from the nearest town.
彼は最寄りの町からも何マイルも離れた、ど田舎で育った。

🏷 boondocks boonies Tagalog bundok Philippine-American War gairai 外来語 Etymonline

❓まとめ

Q. 都会から遠く離れた「ど田舎」を指すアメリカ英語のスラング the boondocks。この単語、実はフィリピンの言語に由来すると知っていましたか?

A. the boondocks(ど田舎)は、タガログ語で「山」を意味する bundok が語源だというのが有力説です。1899年に始まった米比戦争でフィリピンに駐留したアメリカ兵たちがこの単語を覚え、山岳地帯を指す言葉として使い始めたのが、英語に取り込まれた発端とされています。

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