📖くわしく解説します
comb は「コウム」(home と同じ母音)、bomb は「バム」(Tom と同じ母音)、tomb は「トゥーム」(room と同じ母音)と読みます。見た目はどれも「-omb」で終わる似た単語なのに、母音はオウ・ア・ウーとばらばらです。それでいて、語末の b を実際に発音する単語は3つの中に1つもありません。これは偶然の一致ではなく、3語がそれぞれ違う時代に違うルートで英語に入ってきた結果だと考えられています。
もっとも古いのが comb です。古英語の camb(さらに遡るとゲルマン語の kambaz、「歯」を意味する語根に由来)までさかのぼる、もともとの英語の単語です。中英語の終わりごろ、英語では語末の -mb という子音の連なりが発音しにくくなり、b の音が脱落する変化が起こりました。この変化は comb だけでなく lamb、climb、dumb、numb、thumb、limb といった他の -mb で終わる単語にも共通して起きたもので、発音だけが先に変わり、綴りは古い形のまま取り残されたというのが定説です。
tomb は少し事情が異なります。こちらは中世にフランス語(Anglo-French の tombe)経由で英語に入った借用語で、さらに遡るとラテン語の tumba、ギリシャ語の tymbos(「墓」「盛り土」)に行き着きます。b が発音されなくなる道筋は comb と同じ「-mb の簡略化」ですが、フランス語に近い発音を保っていたため、母音は comb とは別の歴史をたどって「ウー」の音に落ち着きました。なぜ正確に「ウー」になったのかを細かく説明する資料は多くなく、この部分はおおよそこう考えられている、という範囲の話だと捉えておくのが安全です。
一方 bomb は3語の中でもっとも新しい借用語で、16世紀末にフランス語の bombe、イタリア語の bomba を経由して英語に入りました。さらに遡るとラテン語の bombus、ギリシャ語の bombos で、もともとは「ドーンという低い音」を表す擬音語です。bomb が英語に入ったころには、-mb の b を書いて読まないという綴りの慣習がすでに英語の中で定着していたため、実際には発音上の脱落が起きたわけではないのに、見た目のルールだけを真似て b を書くようになったと考えられています。母音の変化が一段落したあとに入ってきた新参者だったため、短い「ア」の音のまま今も残っています。
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❓まとめ
Q. comb(クシ)・bomb(爆弾)・tomb(墓)——同じ「-omb」なのに、発音が3つとも違うのはなぜ?
A. 3語はそもそも生まれた時代も経由した言語も違う、まったく別々の単語です。たまたま同じ「-omb」という綴りの型に収まっただけで、母音はオウ・ア・ウーとそれぞれ違いますが、語末のbだけは3つとも共通して発音されません。