📖くわしく解説します
1996年12月12日、欧州委員会は新しい共通通貨の記号として€を発表しました。ここに至るまでに、委員会のスタッフはまず「手書きしやすい」「既存の通貨記号に似ている」「ヨーロッパを強く連想させる」という3条件で候補を約30案に絞り込み、そこからさらに10案を選んで一般向けの世論調査にかけています。最終的にどれを選ぶかを決めたのは、当時の欧州委員会委員長ジャック・サンテールと、ユーロ担当委員イブ=ティボー・ド・シルギーの2人でした。
公式に説明されているデザインの由来はこうです。€の丸みを帯びた形はギリシャ文字のε(エプシロン)に由来し、「Europe」の頭文字であると同時に、古代ギリシャを「ヨーロッパ文明のゆりかご」とみなす位置づけを象徴しているとされます。そこに引かれた2本の平行線は、ユーロという通貨の「安定」を表しているという説明です。
ところが、この記号を実際に手を動かして描いたのが誰なのかについては、選考の過程や大半の候補案とともに、今も欧州委員会の非公開情報のままです。委員会側は「複数人からなる内部チームの作」だとしていますが、氏名は一切公表されていません。その一方で、欧州共同体の元チーフグラフィックデザイナーだったアルトゥール・アイゼンメンガーは、「委員会が決定する25年も前に自分がこのアイデアを考えていた」と異議を唱え、ベルギーの新聞ではベルギー人デザイナーアラン・ビリエが考案者だと報じられたこともあります。名乗り出た人物どうしの証言は食い違ったままで、決着していません。
なぜ委員会が考案者名を伏せ続けているのかも、はっきりした理由は明かされていません。世界中で毎日のように目にし、手で書く記号でありながら、「本当は誰が描いたのか」だけがいまだ公式には解けない——通貨記号としては珍しい謎を抱えたまま、€は今日も使われ続けています。
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❓まとめ
Q. € の記号、なぜギリシャ文字のεに2本線なのか。そして実際に描いたのは誰なのか?
A. 公式には、ギリシャ文字ε(エプシロン)を「ヨーロッパ文明のゆりかご」の象徴として使い、2本の平行線で通貨の「安定」を表しているとされています。ところが実際に誰がこのデザインを描いたのかは、欧州委員会から今も公式に明かされていません。複数の人物が「自分が考案した」と名乗り出て、話が食い違ったままです。