答え15〜18世紀の大母音推移で母音の音が総入れ替えになったのに、印刷術で綴りが先に固定されていた。
📖くわしく解説します
中英語の時代、name は「ナーメ」、time は「ティーメ」、house は「フース」、meet は「メート」と、ローマ字読みでほぼ通じる発音でした。
ところが15〜18世紀にかけて、長母音が一斉に口の中で上へずれるという大変動が起きます。これが大母音推移(Great Vowel Shift)。ナーメ→ネイム、フース→ハウスと、母音がまるごと入れ替わりました。原因は今も完全には解明されていません。
最悪だったのはタイミングです。ちょうどこの真っ最中の1476年に、キャクストンが印刷機を導入。綴りが紙の上で固定されはじめた一方、音だけが数百年かけて逃げていきました。
結果、英語の綴りは「500年前の発音の記録」になっています。読めないのは学習者のせいではありません。
この推移は一斉に起きたわけではなく、200〜300年かけて段階的に進みました。だから同じ時代の中でも、地域や世代によって発音がばらついていた時期があります。シェイクスピアの韻を現代英語で読むと踏めない箇所があるのは、彼の時代がまだ変化の途中だったからです。
学習者にとっての実益はここにあります。英語の綴りは「読み方の指示書」ではなく「歴史の記録」だと割り切ること。ローマ字読みが通じないのは当然で、単語は綴りと音をセットで覚えるしかない。この前提に立つだけで、英語のスペルに対する無力感はかなり減ります。
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❓まとめ
Q. 英語のスペルがめちゃくちゃな根本原因は「発音だけが逃げた」から
A. 15〜18世紀の大母音推移で母音の音が総入れ替えになったのに、印刷術で綴りが先に固定されていた。