答え米墨戦争(1846〜48年)の逸話とされますが、年代も軍服の色も合いません。スペイン語で「ギリシャ人」を意味する griego が語源とする説が有力です。

📖くわしく解説します

アメリカ英語にもすっかり定着した gringo(外国人、特に英語圏の白人を指す語)には、有名な語源説があります。「米墨戦争で緑の軍服を着たアメリカ兵に対し、メキシコ人が立ち去れという意味で "Green, go!" と叫んだのが縮まった」というものです。行進歌 "Green Grow the Lilacs" が訛って生まれた、という亜種もあります。

ところがこの話、日付が合いません。1787年に出版されたスペイン語辞典 Diccionario Castellano にはすでに gringo という語が載っており、マラガでは訛りのある外国人を、マドリードでは特にアイルランド人を指す語として説明されています。米墨戦争より60年近く前から存在していたうえ、当時のアメリカ軍の軍服は緑ではなく紺色でした。時期も色も合わない、絵に描いたような後付けの説です。

有力な語源は、スペイン語で「ギリシャ人」を意味する griego です。スペイン語には日本語の「ちんぷんかんぷん」に近い言い回しとして hablar en griego(ギリシャ語で話す=わけがわからない)という表現があり、英語の It's all Greek to me.(全然わからない)と同じ発想です。中世の写字生はギリシャ語の文章に出会うと余白に「これはギリシャ語ゆえ読めない」と書き残していたといい、この「理解不能=ギリシャ」という連想が、聞き取れない言葉を話す外国人を指す gringo に転じたと考えられています。

現在の gringo は文脈次第で意味合いが変わる語です。中南米の多くの地域では単に「外国人」「よそ者」を指す軽い言葉として使われますが、口調や状況によっては見下したニュアンスを帯びることもあります。英語の会話や旅行記にもそのまま登場する語なので、「緑の軍服」の逸話は忘れても、使う場面と相手を選ぶ言葉だということは覚えておくとよいでしょう。

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Some locals jokingly call foreign backpackers gringos, without meaning any offense.
地元の人は冗談っぽく外国人バックパッカーを gringo と呼ぶことがあり、悪気はない。

🏷 gringo 俗説 スペイン語 語源 バクロニム

まとめ

Q. gringo は「緑の軍服の兵士に "Green, go!" と言った」から — これはガセです

A. 米墨戦争(1846〜48年)の逸話とされますが、年代も軍服の色も合いません。スペイン語で「ギリシャ人」を意味する griego が語源とする説が有力です。

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