📖くわしく解説します
"hamburger" という単語を見て「ham(ハム)+ burger」だと思っている人は多いはずですが、これは語源としては誤解です。実際の成り立ちは真逆で、まず Hamburg という地名があり、そこに「〜風の、〜産の」を表す接尾辞 -er が付いて hamburger という1語になり、そのあとで英語話者がこの語を ham と burger の2つに勝手に区切り直した、という順番になります。
料理としてのルーツは19世紀の北ドイツにあります。牛のひき肉をパテ状にしたHamburg steak(ハンブルク風ステーキ)が当時のハンブルク周辺で親しまれており、この料理名が英語圏に伝わりました。英語での記録は早いものでニューヨークのデルモニコズ・レストランの1873年のメニューに見え、1880年ごろには "hamburg steak" という表記が定着していたとされます。19世紀後半にドイツからの移民が渡米する際、この料理も一緒にアメリカへ運ばれました。
パンに挟んだ「サンドイッチ形式」の hamburger は、1902年ごろに "hamburger sandwich" として文献に現れ、1909年までには短縮形の "hamburger" 単独でも同じ意味で使われるようになったと記録されています。なお「誰が最初にパンに挟んだか」という発明者の話は諸説あり、1904年のセントルイス万博で広まったとする説や、コネチカットの軽食店を挙げる説などがあり、確証のある単一の答えはありません。
ここからが面白いところで、hamburger を ham + burger と誤って区切った結果、-burger の部分だけが「ひき肉のパテを挟んだ食べ物」を表す独立した接尾辞として一人歩きを始めました。チーズを挟んだ "cheeseburger" は1938年ごろ、"burger" だけの単独用法も1939年ごろには確認されており、そこから veggie burger(野菜バーガー)や chicken burger(チキンバーガー)まで一気に広がっていきます。語源をたどると ham はどこにも登場しないのに、その誤解のおかげで英語の語彙が1つ増えた、というのがこの単語のオチです。
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❓まとめ
Q. hamburger(ハンバーガー)に、なぜ ham(ハム)が入っていないのか?
A. そもそも語源に ham は関係ありません。もとはドイツの都市Hamburg(ハンブルク)+「〜風」を表す -er で、「ハンブルク風の一品」という意味の言葉でした。後から英語話者が ham + burger と区切り直してしまったせいで、逆に burger のほうが独立した単語になったという、語順が逆転した珍しいケースです。