📖くわしく解説します
西暦を表す略号には、実は2つの系統があります。BC(Before Christ、キリスト以前)とAD(Anno Domini、ラテン語で「主の年に」)の組。そしてBCE(Before Common Era)とCE(Common Era)の組。どちらの表記でも2026年は2026年のままで、数字は1年たりともズレません。違うのは年数ではなく、キリスト教色を出すか出さないかという「呼び方」だけです。
AD/BCの体系を考案したのは、6世紀の修道士ディオニュシウス・エクシグウスだというのが定説です。525年、当時使われていたローマ皇帝ディオクレティアヌスの即位年を起点とする暦に代えて、イエス・キリストの生誕年を起点とする数え方を提案したのが始まりとされています。このとき「紀元0年」は作られず、紀元前1年の翌年がいきなり紀元1年になるという、今も残るちょっと不便な数え方が生まれました。
一方の「CE」の芽生えはもっと古くまでさかのぼれます。天文学者ヨハネス・ケプラーが1615年の著作でラテン語の「vulgaris aerae(共通の紀元)」という表現を使った例が、確認できる最古のものとされています。その後19世紀半ば、キリストを「主」と呼ぶことに抵抗のあったユダヤ教の学者たちが「Common Era」を積極的に使い始め、信仰によらない中立的な年号表記として広まっていった、というのが有力説です。
現在は考古学・歴史学・天文学などの学術分野でCE/BCEが好まれる一方、日常やキリスト教関連の文脈では今もAD/BCが根強く残っています。どちらを使っても年数の計算はまったく同じ。「2026年」も「AD 2026年」も「2026 CE」も、同じ1点を指す3通りの書き方にすぎません。
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❓まとめ
Q. 「AD 2026年」と「2026 CE」、同じ年なのになぜ書き方が2つあるのか?
A. AD/BCとCE/BCEは指している年がまったく同じで、宗教色を薄めるために広まった、いわば同じ年号の「言い換え」です。