📖くわしく解説します
英語の asterisk は、ラテン語 asteriscus を経て、ギリシャ語の asteriskos(ἀστερίσκος) にたどり着きます。これは aster(星)に「小さい」を表す指小辞 -iskos が付いた形で、直訳すると「小さな星」。記号の見た目そのままの名前です。
この記号が最初に使われた記録は、紀元前2世紀までさかのぼる、というのが定説です。古代アレクサンドリア図書館の学者アリスタルコスが、ホメロスの叙事詩を校訂する際、他の場所と重複していると思われる行の脇にこの印を書き込んだとされています。ただし当時の写本の実物は残っておらず、その印が本当に星の形をしていたかどうかは「asteriskos(小さな星)という呼び名からの推測」にすぎません。形そのものが確実に分かっているわけではないのです。
その後3世紀には、アレクサンドリアの神学者オリゲネスが、ヘブライ語聖書とギリシャ語訳を並べた文献『ヘクサプラ』で、訳文に抜けている箇所を示す印としてアスタリスクを採用しました。中世になると、本文と欄外の注釈を結びつける印として定着し、活版印刷が広まった時代には脚注(footnote)の目印という、今につながる役割を担うようになりました。
現代では、アスタリスクの使い道はさらに広がっています。契約書や広告の「※」に近い注意書きとしての脚注、野球で記録に疑義がある選手成績に付ける「asterisk付きの記録」という比喩表現、汚い言葉を伏せ字にするf**kのような検閲、コンピューターの検索で使うワイルドカード(*.txt など)。「小さな星」という2000年以上前の名前を背負ったまま、記号は今も現役で意味を増やし続けています。
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❓まとめ
Q. 文中の * (アスタリスク)、なぜ「小さな星」という名前がついているのか?
A. ギリシャ語で「小さな星」を意味するasteriskosが語源。紀元前2世紀、古代アレクサンドリアの学者が写本の余白に星形の印をつけて注釈を示したのが始まりとされています。